水面下の動きも活発に…(C)日刊ゲンダイ

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 自民党総裁選は投開票日(27日)まであと2日となり、議員票の多数派工作が激しくなっている。

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 現状、石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相、高市早苗経済安保相の3人に絞り込まれ、このうち上位2人の決選投票になるのはほぼ確実。「石破vs小泉」「石破vs高市」「小泉vs高市」の3パターンが想定され、決選での投票先をめぐって「勝ち馬」探しで情報収集する者がいれば、勝利後のポストをぶら下げて議員票の上積みを狙う陣営もあるなど、駆け引きが展開されている。

 キングメーカー狙いの3人の水面下の動きも活発になってきた。

“卒業旅行”で訪米していた岸田首相は、4日間の日程を終え、24日夜に帰国。国連総会での一般討論演説を見送ってまで帰国の途を急いだのは、決選投票での投票先を決める“謀議”のためだ。

「岸田派(46人)は解散したとはいえ結束が固い。所属議員は林芳正官房長官の支持が中心で、一部、上川陽子外相と小泉氏に分散しているが、決選ではまとまって動こうと呼びかけている。これから最終の分析をすることになる」(岸田派関係者)

 党内で唯一、54人の派閥を維持している麻生副総裁は、石破と小泉の決選投票なら「引退危機」とまで囁かれていたが、高市の追い上げで息を吹き返した。24日は小泉が麻生詣でをして、支援を頼んだという。

「小泉氏のバックには菅前首相、石破氏とは個人的な確執で、麻生氏はどちらにも行きにくかったが、高市氏を入れた三つ巴となったことで、麻生派の数をより高く売れるようになった。麻生派の支持は河野太郎デジタル相がメインで上川氏にも結構行っているが、高市氏を決選に残すため、1回目の投票から少し高市氏に票を寄せるよう麻生氏が指示を出したという話もある」(ベテラン議員)

 落ち目の小泉陣営でも、後見人の菅が必死の号令。決選に残るため、すでに50〜60票を集めたとされる議員票の積み上げに懸命だ。

 しかし一方で、今回はボスの指令の通りには動かないという見方も。

「河野氏をやってて、政治姿勢の全く異なる高市氏を決選で推すのは難しいと話す麻生派議員もいる。派閥流動化で、岸田氏や麻生氏、菅氏の言う通りに配下の議員が動くのかどうか。党員票の結果を覆すような行動は党員の理解を得られず、総選挙にも影響する」(中堅議員)

 これまで通りのボスの締め付けが利くのか、それとも権威失墜でキングメーカーが一掃されるのか。見ものだ。

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