提供:防衛省

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23日午後1時台から3時台にかけて北海道の礼文島北方の日本の領海上空で、ロシア軍の哨戒機1機が3度に渡って領空を侵犯した。ロシア側の狙いを自衛隊関係者はどのように見ているのか解説する。

ロシア機による領空侵犯は2019年以来で、ロシア機と推定されたものも含めると、ほぼ1年ぶりとなる。

哨戒機は、一度領空に入ったあと、ジグザグに飛行。その後、旋回を重ねる中で、2度領空に入ったという。

ある自衛隊幹部は、ロシア軍機の侵入について「意図的だろう」と述べた上で、「政権が変わろうとする不安定な中、日本が対応できるか狙ったのではないか」と話す。

さらに、先月の中国軍機による長崎県男女群島沖での領空侵犯に重ねてロシアが北海道沖で侵犯を行うことで、「日本に複数の正面へ対応させることで、軍事力の分散化を狙ったのではないか」との考えを示した。

一方、ロシア軍と中国軍は今月、合同演習を行っていて、領空侵犯された周辺では22日から23日にかけて両国軍の艦艇の共同航行が確認されている。

別の自衛隊関係者は、「共同航行や演習については動きを想定して、警戒監視を続けていた」と明かした。

その上で、領空侵犯については、自民党総裁選での論戦で、領空・領海侵犯への強硬な対応を求めた候補者が相次いだことを受けて、「ロシア側があえて日本がどのような対応ができるか、試すことにしたのではないか」と話した。