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 ◇パ・リーグ ソフトバンク9―4オリックス(2024年9月23日 京セラD)

 マジック「1」としていたソフトバンクが23日、オリックスに勝ち、4年ぶり22度目(1リーグ時代を含む)のリーグ優勝を決めた。小久保裕紀監督(52)は就任1年目でリーグ制覇となった。

 シーズンを通じてかみ合ってきたベテランと若手がこの試合でも一体となった。初回2死一、二塁から中村晃の右前打で、二塁走者の今宮は捕手・森のタッチに対し、うまく身をよじらせてタッチをかわして生還。逆転を許しても、4回に川村の二塁内野安打、周東の左越え二塁打で逆転に成功した。15安打と全員がつながった。

 小久保監督は笑顔で歓喜の輪に飛び込み、信頼する選手たちの手に体をゆだね、8度、体を持ち上げられた。優勝監督インタビューで「2月のキャンプから、この日のためにチーム全員でやってきたんで、懸命に戦った選手たちに胴上げしてもらえて、本当に最高でした」と言葉に力を込めた。

 「やっぱり勝って決めたいという思いがあったんで、それが実現できて良かったですし、何より、ここ京セラドームで3月29日に開幕し、昨年までの覇者、オリックスに対して、どれだけ我々が戦えるかというスタートを切った中で、やはり3連覇したオリックスがいたからこそ、我々もそこに向かってやれる。そういうシーズンだったんじゃないかと思います」とオリックスへの敬意を口にした。

 首位独走の1年となったが「幸いにもゲーム差があった中でのペナントレースだったんですが、やっている我々は最悪、最低を想定しながらマネジメントをするんですけど、非常に(ゲーム差が)あいているだけにね、少しチャレンジャーでスタートした中で、少しこう逃げ切るとか、守りに入るというところもあった。9月に入ってからの戦いが非常に長く、しんどく感じましたね」としみじみ語った。

 23年10月23日。小久保監督が就任会見で明かしたテーマは「王イズム」の継承だった。「主力が先頭に立って引っ張るチームづくりをしていきたい」と力強く誓った。4番の山川が5月末からスランプに陥っても代えなかった。ダイエー初優勝の99年に4番に座っていた小久保監督は、球宴前まで打率・185。それでも当時の王貞治監督は代えなかった。信念は就任初日からブレなかった。

 監督就任1年目での初優勝は、節目となる20度目のリーグ制覇となった。次の標的はクライマックスシリーズを突破し、日本一をつかむことだ。指標とした「美しい野球」の結実へ、10月に大きな戦いが待っている。「クライマックスシリーズ、ありますんで、明日以降、切り替えていきたい」とし、ファンへ「きょうは楽しんでください」と張り上げた。