50号本塁打を放ち、ファンの声援に応えるドジャースの大谷翔平【写真:ロイター】

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歴史的瞬間を“陰で”サポートした存在とは…

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手はついに空前絶後の記録、50本塁打&50盗塁の「50-50」に到達した。MLBの歴史に新たな1ページを刻んだ試合は大きな注目を集めたが、記録が生まれた直後には大谷の偉業を称えるための細やかな配慮があったことが話題に。米老舗誌が伝えている。

 長い歴史を誇るMLBの中でも特別な1日となった大谷の「50-50」到達試合。マイアミで19日(日本時間20日)に行われたマーリンズ戦の7回、大谷が豪快な一発を左翼席に運ぶと、駆けつけたドジャースファンだけでなく、マーリンズのファンも総立ち。ダイヤモンドを一周し、ベンチに戻った背番号17をドジャースの選手たちが称え、スタンドからは拍手喝采が浴びせられた。

 実はこのシーンでは、大谷に対するリスペクトがちりばめられていた。米国の老舗スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」は「ショウヘイ・オオタニ50号本塁打の祝福シーン、審判の粋な行動が称賛される」との見出しで記事を掲載。記事内では球審の行動に称賛を浴びせている。

「彼が本塁に入って来る時、球審のイアソンガはこの特別な瞬間を祝うためにベース(の土を)払いのけた。さらに、マーリンズのバットボーイとおしゃべりをすることで時間を作り、ドジャースがチームメイトを祝福するための十分な時間を取れるようピッチクロック違反を退けた」

 本来なら大谷の生還後、次打者のキアマイアーが打席に入るところでピッチクロックが動き出すところだが、記事では「イアソンガは試合を続行し、次の打者ケビン・キアマイアーに1ストライクを宣告することもできたが、状況をくみ取り、オオタニに使える時間を与えた」とイアソンガ球審はわざと“時間稼ぎ”をする形で、ピッチクロック違反にならないように配慮。大谷の歴史的偉業を称えるため、審判も陰でサポートした格好だ。

(THE ANSWER編集部)