「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の最終日に出演し、大トリを務めたサザンオールスターズの桑田佳祐

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 5人組バンドのサザンオールスターズが23日、茨城・国営ひたち海浜公園で開催中の野外フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の最終日に出演し、大トリを務めた。

 主役たちが両手を高々と掲げると、5万人は大歓声で迎え、人波が揺れた。厳しい残暑から一転、心地よい秋風を感じながらの歌唱に、ボーカルの桑田佳祐は「ひたちなかにお集まりの皆さん、ありがとう。素晴らしい秋の日をありがとう」と感謝。「良い天気にしてくれてありがとう。今日は皆さんに会えるのを、このステージに立てるのを、心から楽しみにしていました」と喜びをかみ締めた。

 6年ぶりのロッキン、サザンの今年初ライブは「女呼んでブギ」で幕を開けた。新曲「ジャンヌ・ダルクによろしく」から「いとしのエリー」「真夏の果実」「マンピーのG★SPOT」へ、ヒット曲満載の19曲のステージ。「思い過ごしも恋のうち」では、デビュー初期の懐かしい映像が画面に映し出され、「みんなのうた」では、お決まりの客席への放水で沸かせた。

 5人の平均年齢は68歳。夏に野外でライブをすることへの現実と向き合い、後進に夏フェスの未来を託したい―という思いから、この日をもって夏フェスの卒業を決めた。

 桑田は「ご存じの通り、我々夏フェスは最後ということで、ここにあげてもらっています。夏フェスは最後だけど、秋(のフェス)はね!(笑い)」とおどけたが、これは桑田流のジョーク。「いったん、我々は(夏フェスを)卒業させて頂きますけれども、若い素晴らしいアーティストたちに頑張っていただいて。今後も(ロッキンジャパンという)素晴らしいフェスが永遠にあると信じております。お身体に気を付けて。また皆さん、近いうちにどこかでお会いしましょう」と約束した。

 主催者側の計らいで、通常のトリ(55分)の倍近い100分間のステージを任された。アンコールの「希望の轍」でボルテージが最高潮に達すると、総勢40人のサンバダンサーを引き連れた「勝手にシンドバッド」では、この日出演のTHE YELLOW MONKEY、緑黄色社会ら6組がステージを彩るサプライズでフィナーレ。国民的バンドの“夏フェス勇退”に花を添えた。(加茂 伸太郎)

 〇…この日の模様は、全国の映画館332館(611スクリーン)でライブビューイングとして行われ、15万5000人が視聴した。桑田は「全国の映画館でわざわざ見て頂いています。能登地方も、元旦に引き続き、大雨で大変な被害があったようでございますけれども、心よりお見舞い申し上げます」と話した。国内アーティスト(単独)の夏フェス出演時のライブビューイングは初の試み。史上最大規模で、最大動員数を記録した。