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 ◇パ・リーグ 楽天5―4ロッテ(2024年9月17日 楽天モバイル)

 誰かを救いたい。楽天・伊藤裕の純粋な気持ちが歓喜を呼んだ。延長10回表。6番手の渡辺翔が勝ち越しを許した。その裏、先頭浅村の二塁打を皮切りに渡辺佳の中犠飛で同点。なおも2死一、二塁から代打で出場し、国吉の初球142キロカットボールを振り抜いた。打球が中前で弾み、ヒーローはすぐさまびしょ濡れになった。

 プロ6年目で初のサヨナラ打。「正直覚えていないくらい、気持ちで打った。最高です」と余韻に浸った。「誰かを救えるようなプレーをしたい」と常に思ってきた。勝ち越されて号泣しながら引き揚げた渡辺翔を救い「野球は助け合いのスポーツ。僕は常に救われてきた側。(渡辺翔は)チームを救ってきたことの方が多い」と思いやった。

 クライつけ――。まさに合言葉を体現する勝利だ。9月に入り、チームはクライマックス・シリーズにかけた「クライつけ!」Tシャツを練習で着用している。4連勝で3位ロッテと1ゲーム差。きょう18日も勝つと、勝率で上回り、7月16日以来、約2カ月ぶりにCS進出圏内の3位に浮上する。今江監督も「最高の形になりましたね。選手たちは点を取られても“いけるぞ、いけるぞ”って言ってくれていた。この勝利は大きい」と満面の笑みでナインを称えた。3カ月前、交流戦を制した楽天にまたも追い風が吹いてきた。 (花里 雄太)

 ▼楽天・渡辺佳(延長10回に同点の中犠飛)とりあえず同点に、という気持ちだった。何とか後ろにつなげばやってくれると思っていた。ひと安心という気持ちでした。