年上の女性上司に振り回されて…「意地でも転職しない」と誓った30代女性の苦悩【前編】
直属の上司との相性が悪いと、日々の仕事を進めるのにも苦労を伴います。30代半ばの頃に40代の女性上司に振り回され続けてきた女性の苦悩を、メンタル心理カウンセラーの並木まきがお届けします。
昇進と同時に異動! しかし上司の性格に裏表が…
綾さん(仮名)は20代の頃から仕事一筋で、恋愛よりも仕事を最優先してきたタイプ。念願の昇進が叶い、新しい部署に配属されたまでは良かったのですが、直属の上司になった女性との折り合いが悪く、大きなストレスを抱えることになってしまいました。
「その上司は当時、40代後半に差し掛かったばかり。私は30代半ばでした。10歳ほど離れているので、多少のジェネレーションギャップがあってもおかしくないと思っていましたが、あまりにも上司が気分屋なのと、裏表のある性格すぎて、一緒に働くのが本当に苦痛でした」
女性上司は日によって気分の浮き沈みが激しく、ニコニコと笑いながら話をして穏やかな日があったかと思えば、翌日には1日中不機嫌でイライラした様子を見せ、メールの文面もトゲトゲしく、まるで綾さんに恨みでもあるかのようなキツい言葉を多用してきたのだとか……。そんな上司の存在によって、大好きだった仕事がだんだんとストレスに変わってしまった綾さんは、会社に行くのすらしんどいと感じるようになってしまったそうです。
転職をしたくない意地だけで乗り越える覚悟を決めた
「だけど私は、その上司のことを除いては会社を気に入っていましたし、上司のせいで転職をするのは負けるみたいでイヤだったんです。気持ち的には仕事へのやる気が削がれていましたが、意地でも転職しないと決めて、次の異動までの期間を耐えることに決めたんです」
綾さんが毎日悩んでいるのに対して、女性上司は自分勝手な振る舞いがエスカレート。そのうちに上司は、自分の仕事のミスを綾さんのせいにするまで態度が悪化していったといいます。
「“言いがかり”って、いうんですかね? 自分の不注意でミスをしたくせに、私が連絡するのが遅かったせいだとか、伝え方が悪いとかってイチャモンをつけてきて、悪いことはなんでも私のせいにするような口ぶりで。しかも“今の部下は仕事ができない”などと周囲にこぼしていたらしいのです。社内にはその話を鵜呑みにして、私の悪評を一緒になって流す人まで出てきて最悪でした」
毎日一緒に仕事をする相手との折り合いが悪いと、仕事への意欲も削がれやすいでしょう。人間関係のストレスは、業務にも大きな影響を及ぼしがちです。綾さんのように強い意志を持って踏ん張れることもあるでしょうが、心身を壊しそうになったときには、周囲に助けを求めたり、転職を視野に入れたりといった選択が自分を守る術にもなります。©ponta1414/Adobe Stock ©metamorworks/Adobe Stock
文・並木まき