犬の気持ちがもっと分かる、ボールを使ったコミュニケーションとは?
犬を飼っている方は、犬の動きや表情で何を求めているのか、何と言いたいのかを推察することができるかもしれません。でも犬はとても賢い動物なので、訓練をすれば、サウンドボードを使ってコミュニケーションを取ることができるかもしれません。
サウンドボードとは、押すと音が鳴るボタンで、それぞれのボタンに意味を持たせた物。例えば、あるボタンには「幸せ」という意味を、別のボタンには「悲しい」などの意味を持たせて、それぞれの意味を犬に覚えさせることで、犬が自分の意思を飼い主に伝えられるというのです。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、犬を飼っている29人にサウンドボードを使った実験を行いました。飼い主は、研究チームの指導のもと、犬にサウンドボードの訓練を行い、飼い犬とコミュニケーションが取れるかどうか確認したのです。その結果、犬たちはそれぞれの言葉の意味を理解しており、適切に反応したことがわかりました。
「犬は言葉の意味を理解しているわけではなく、単に飼い主の行動に反応しているだけなのでは?」と、疑う意見があるかもしれません。しかし別の研究で、犬は最大で215の人間の言葉を学習できる可能性があると示唆されるなど、犬は人間の言葉を驚くほど理解しているのだそうです。
サインボードを使って犬とコミュニケーションを取る方法
では、この実験のように飼い犬とコミュニケーションを取りたい方に、サインボードを使った訓練方法をご紹介しましょう。
(1) 押すと音が鳴るボタンを1〜2個用意する。
(2) 用意したボタンに、それぞれに意味をつける。おすすめはすでに犬がその言葉に関連づけて楽しんでいる、簡単な言葉をチョイスすること。例えば外に散歩に出かけるのが大好きな犬なら、「外」の意味を持たせてもいいでしょう。
(3) その言葉の意味に関連したアクションを行うたびに、ボタンを押す。これを繰り返し行うことで、犬はボタンとそのアクションを結びつけるようになります。
(4) そのうちに、犬が自分でそのボタンを押すようになる。
(5) 犬にご褒美をあげる。おやつをあげたり、かわいがってあげたりすることで、犬はボタンを押して自分が欲しいものや、してほしいことを伝えられることを学びます。
この一連のことができるようになったら、時間をかけて少しずつボタンの数を増やしていきます。すると、犬が理解できる言葉の数が増えて、犬と会話を楽しめるようになっていくと研究者は話しています。
【主な参考記事】
Daily Mail. Dogs can TALK to you by pressing buttons, scientists confirm - here’s how to try it with your pet. August 28 2024