98年に中山秀征さんと結婚し、4人の子どもに恵まれた白城あやかさん。当時は宝塚のトップ娘役として活躍していた白城さんが結婚を機に宝塚を退団すると、生活が一変して── 。(全3回中の1回)

【写真】「これが話題の披露宴!」450人の招待客を前にケーキ入刀する白城さん夫婦「ヒデちゃん変わらない!」(全13枚)

中山秀征は「THE 芸能人!」だと思いつつ

海外旅行にて

── 旦那さんとは、白城さんの舞台が終わった後の食事会で出会ったと聞いています。以前からテレビで旦那さんの活躍をご覧になっていたのですか?

白城さん:当時、私は毎日レッスンや舞台があり、終演後も会食があって、テレビを観る時間がほとんどなかったんです。彼の番組はほぼ観たことがなくて、後日『THE夜もヒッパレ』を観てみたら「THE芸能人!」というか。普通に食事をするときとは違って、すごくテンションが高いなとは思いましたが、テレビではそうなりますよね(笑)。

主人の第一印象は華やかな世界にいらっしゃるけど、きちんとした方だなと思いました。あと、明るくてフレンドリーで親切。私と同じ歳でこういう方が芸能界で活躍されているんだと思った気がします。

── 食事会からどのように交際が始まったのでしょうか?

白城さん:食事会の後は、お互い忙しくてしばらく会わなかったんです。食事会から1年くらい経ったときかな。また同じメンバーで舞台を観に来てくれて、終演後にみんなで食事をすることになったんです。舞台が終わって帝国ホテルのロビーの待ち合わせ場所について、私が「お待たせしました」と皆さんに挨拶をしながらパッと主人の顔を見たときに、「あ、この人と結婚するかもしれない」って思ったんです…。不思議ですよね。この話を後から彼にしたときに、彼もそう思ったと言っていて。そこからおつき合いが始まりました。

── その後、98年に結婚。結婚する決め手はありましたか?

白城さん:今も変わらないんですが、主人はとても穏やかな人だし、何か失敗しても笑ってくれるから安心して過ごせるんです。仕事が大好きなのもいいなと思いました。私自身、宝塚の仕事が大好きで、嫌なこともしんどいことがあったとしても、いつも舞台に夢中で取り組んでいたので、結婚するなら同じように夢中になれるものがある人がいいなと思っていたんです。

主人は14歳のときに芸能人を目指して群馬から上京しましたが、浮き沈みの激しい世界でずっと辞めずに頑張って働いてきた人です。ここまで仕事が好きな人なら、この先、何があってもやっていけそうだし、家族もどうにか暮らせていけるんじゃないか、と思ったことも大きいですね。

彼の「昭和好き」が結婚式にも影響し

カニが美味しそうですね

── 98年に結婚。450人の招待客を招き、盛大な結婚式をあげたことでも話題になりました。白城さんの希望だったのでしょうか?

白城さん:いえいえ、すべて主人のこだわりです。私は教会で親しい友人や家族を呼ぶくらいでいいと思っていましたが、彼は当時から昭和の華やかな芸能界の雰囲気が大好きなんです(笑)。結婚式も、よりたくさんの人に祝福してもらいたいという思いがすごく強かったんですね。

そもそも、私はウエディングがよかったんですけど、彼は和式で着物が着たかった。当時は「結婚式って女の人の希望を叶えるものじゃないの…?」と思いながら、主人と3回くらい話を重ねましたが、主人は物腰が柔らかくてしつこいんですよ(笑)。今でもそうですが、決して上からキツく言うことはないんですけど、「これもいいよね」って賛同するように見せかけて最後は自分の意志を通すっていう。結婚して数年後にハッと気づきましたが、最終的にはいつも私が譲ってるんです。結局、結婚式も4回目の話し合いで私が折れました…。そんなに結婚式への思いが強いならいいよということで、お互いの意見を取り入れつつ、とても盛大な会になりました(笑)。

── 結婚を機に宝塚を退団されました。宝塚でトップ娘役として活躍されていましたが、結婚後のお仕事についてどのように考えていましたか?

白城さん:結婚して外に出て働こうとはまったく思わなかったですね。私は好きなことがあるとワーって突き進んでしまうタイプなんですね。主人は「仕事を続けてもいいんじゃない?」と言ってくれました。でも、お仕事をいただいたらのめり込んでしまい、家のことがおざなりになってしまうのは、たぶん自分でもわかっていて。仕事と家のバランスをとりながらっていうのができないだろうなって思ったんです。宝塚に10年間、身も心も注いできたので、もうやりきった感じはありました。だから結婚したら仕事はいっさいやりません。家庭に入りますというスタンスで結婚しました。

── 結婚して日常生活は大きく変わりましたか?

白城さん:180度ガラッと変わりました。結婚してすぐに長男を授かったので、結婚して1、2か月は体調がすぐれなかったですし、ふたりの時間を楽しむこともまったくなくて、家でゴロゴロしていました。宝塚時代とは一変しましたね。

その後、4人の子どもに恵まれましたが、家事に子育てにと、舞台とは違った忙しさが20年以上続くことになります。

PROFILE 白城あやかさん

しらき・あやか。元宝塚歌劇団・星組トップ娘役として活躍し1997年3月に退団。98年6月にタレントの中山秀征と結婚。4人の子どもの母。

取材・文/松永怜 写真提供/白城あやか