猫は人間から見ると無理そうだと思われることでも果敢にチャレンジする生き物。そのため、猫が意外な場所から救出されるニュースは枚挙にいとまがありません。

ところが、6匹の猫を飼っているXユーザーのまめ(@timicyo)さんが今週、「今助けるからなー!!!!!」というコメント共に投稿した写真は、それとは真逆のシーンを捉えたものでした。

歯を食いしばるようにしながら必死の形相を浮かべているサバトラ柄の猫ちゃん。頭とアゴをがっしりと掴まれながら口を開かれそうになっていて、体に有害なものでも飲み込んでしまったかのような光景ですが、口元のあたりから何かがはみ出しているのを確認できます。

よく見ると昆虫の顔や羽のように見えますが、じつはコレ、真夏の夜の風物詩である「セミ」。つまり、飼い主さんが助けてやると言っていたのは猫ではなく、猫に食べられそうになっているセミのことだったのです。

このエピソードを飼い主さんがSNSのXに投稿したところ、6万件を超える”いいね”が集まるほどの大反響。

写真を見たユーザーからは「助かってー」「すでに噛まれてそう」「弱肉強食」「ペッしなさい!ペー!」「夏の猫あるある」などたくさんのメッセージが寄せられて注目を集めています。

愛猫が捕まえた昆虫を助けようとするとは、何とも心優しい飼い主さんですが、セミはどうやって家の中に侵入してきたのでしょうか。ご本人に話を聞いてみると、この少し前人間たちはリビングにいて、猫たちは玄関の網戸越しに集まったセミを眺めていたと言います。

「夜も更けてきたので、セミライブも終わりにしようと玄関を閉めたところ、息子の背中にセミがくっ付いて部屋に入って来たみたいでした。」

一方、サバトラ柄の猫ちゃんは家の中で一番のハンター気質を持っていて、入ってきた虫は確実に捕まえてしまうほど狩りのスペシャリスト。

今回も自信満々にセミを咥えていたことから、「やりやがった!!マジかよあの猫!!!」と思った飼い主さん。しかし、捕まりながらも元気いっぱいに鳴くセミの姿を見て「まだいける!まだ助かる!と思いました。」と当時の様子を振り返ってくれました。

それでもせっかく捕らえたセミを取り上げられたくないため、高い所に逃げようとする猫ちゃん。それを察知した飼い主さん一家は総出で追い込む作戦を展開し、1人が保定、2人がかりで口をこじ開けて、無事にセミを救出することに成功したのだとか。

セミを食べそこねた猫ちゃんは「銀杏」いう名の2歳の男の子。甘えるとおしりが臭くなることが名前の由来になっているのだそうですが、現在は反抗期の真っ只中。普段は一匹狼を気取っているものの、オヤツの時だけ甘えてくる現金な猫ちゃんなのだそう。

飼い主さんのお家にやって来たのは、今から2年ほど前のこと。道路横の植え込みで泣いていた子猫を、旦那さんが1時間近くかけて捕まえ保護したのがきっかけで、「銀杏からしたら知らんおっさんに追い回されて恐怖でしか無かったと思います。」とお迎えエピソードを語る飼い主さん。

インタビューの最後に、自身にとって猫がどのような存在なのか聞いてみると、「我が家は6匹猫がいますが、どの子もあまり人間にくっつくのが好きではない猫たちなので、時々吸わせてくれる同居人って感じです。」と回答。ベッタリではないけれど、ほどよい距離感で快適な猫ライフを送っていることを明かしてくれました。

取材協力:まめ(@timicyo)さん