「十年ひと昔」という言葉があるが、まさに高層ビルやマンション、商業施設が次々に建設され続ける現代、関東圏だけでなく地方都市においても街の様子は10年前とすっかり様変わりしている。ましてや50年前、100年前まで遡ると、そこに何が建っていたかは地元の人でも知らない…ということもよくある。「中古住宅を購入したが、その場所がずっと昔は墓地だったと最近知った」「昭和初期の地図を調べてみると、自分の住居はもと墓地に建てられたマンションだった」という話も珍しくはないだろう。では、本当に自分の生活拠点が、もと“いわくつき”の土地だったとしたら…?今回紹介する漫画は、もと墓地を取り壊して建った、とある銀行で実際にあった怖い話である。

【漫画】「友人知人から聞いた怖い話」を読む

友人知人から聞いた怖い話「某地方銀行での怪異」


今から20年ほど前、Mさんは某地方銀行のN支店に勤めていた。このN支店はお寺と墓地の跡地に建設されており、移転したとはいえ“もと墓地”ということで、年に何度か住職さんがお経をあげに来ていたという。「あの支店は変な出来事が多くてね」とMさんは語る。この漫画を描いたのは、漫画家のカワグチ(@kawaguc9959420)さん。カワグチさんが知人のMさんに聞いた話を漫画化したものである。カワグチさんに本作「友人知人から聞いた怖い話」について話を伺ってみた。

小さな祠も建てられ、銀行員たちも年に数回、ご焼香をしていた


――「某地方銀行での怪異」ですが、作中の登場人物のセリフに方言が見受けられました。舞台は西日本エリアでしょうか?

舞台は九州某県です。

――「友人知人から聞いた怖い話」は今後シリーズ化のご予定は?

あくまで趣味で時間の取れる時に描き進めている作品なので不定期ですが、できるだけ続けたいと思っています。

――では、今後の新作のご予定についてはいかがでしょうか?

現在、原作つきのファンタジーのコミカライズ企画を進めております。2024年中に漫画アプリ「マンガワン」(小学館)での連載開始を目指しているところです。

部署のスタッフはみんな塩を持っていたという


カワグチさんは小学館にて漫画家デビューをし、漫画アプリ「マンガワン」(小学館)にて「異世界転生して魔女になったのでスローライフを送りたいのに魔王が逃がしてくれません(マチバリ原作)」の作画を担当。単行本としても全3巻を刊行している。その後、オリジナル作品として「朝日向先生は秘密の診察をしているらしい」の連載もスタートし、こちらも単行本が3巻発行されている。2024年中に配信予定の新作も楽しみに待ちたい。

取材協力:カワグチ(@kawaguc9959420)