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巨大竜巻の脅威に挑むアクション・アドベンチャー映画『ツイスターズ』は、災害スリラーの大ヒット作『ツイスター』(1996)の新章。監督を務めた『ミナリ』(2020)のリー・アイザック・チョンによると、前作に続いてエグゼクティブ・プロデューサーを務めた巨匠スティーブン・スピルバーグは編集作業にも深く関与していたという。

なにしろ、本編のラストシーンはスピルバーグの提案で大きく変更されたというのだ。セットで撮影された“とある要素”が、完成版の映画からはカットされているのである。

この記事には、映画『ツイスターズ』のネタバレが含まれています。

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(c) 2024 UNIVERSAL STUDIOS,WARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENT,INC. ケイトとタイラーのキスシーン、なぜカットされた?

『ツイスターズ』の物語を締めくくるのは空港でのやり取りだ。ニューヨークから故郷のオクラホマに戻り、恐るべき巨大竜巻を撃退した主人公のケイトは、ストームチェイサー(竜巻追跡人)のタイラーに別れを告げる。しかしタイラーは、ケイトの旧友であるハビの言葉を受け、去ろうとするケイトを呼び止めた。ところがしばしあって、悪天候のためフライトが遅れるというアナウンスが流れてくる。ふたりは一緒に空港を出てゆき、エンドクレジットではともにビジネスを始めたことが明らかになる。

米によれば、もともとマーク・L・スミスが執筆した脚本は空港で終わるものではなかったという。チョン監督の提案でラストシーンが空港になり、セットではケイトとタイラーがキスをする場面も撮影されていたが、編集段階でカットされた。ケイト役のデイジー・エドガー=ジョーンズ、タイラー役のグレン・パウエルによると、キスをカットする判断はスピルバーグの提案によるものだったという。

エドガー=ジョーンズは、この決断を「ありきたりな映画にならずに済みました。続きがあるように感じられるのは素晴らしいことで、2人の物語は終わっていないんです」と賞賛。パウエルも「これは2人が愛を見つける映画ではありません。ケイトは自分の好きなこと、つまり竜巻を追うことに戻り、2人はそれを分かち合う。ケイトの情熱と、故郷への思いも蘇る。だからキスは正しい結末ではなかったと思います」と述べた。「スピルバーグが良いコメントをしてくれました。これこそ、あの方が今もこの世界で戦えている理由なのでしょう」

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米では、チャン監督も“幻のキスシーン”について真相を明かしている。いわく「キスシーンをやろうとしましたが、(製作チームの中で)意見が分かれました。2人の演技が理由ではありません」。そのかわり、同日に撮影されていた“別の選択肢”が採用されたという。

「よりよい結末だと思いました。キスを見たい観客は、2人がいつかキスすることを想像できるし、その余地を与えられるかもしれない。ある意味、このエンディングは祝福的かつ良いかたちで物語を締めくくる方法なんです。もしもキスで終わってしまったら、ケイトの旅はキスで終わることが目的だったように思えてしまう。そうではなく、今の彼女が楽しんでいることを、今後も続けていくという終わり方のほうがいいんです。」

チャン監督は、ケイトもまた「竜巻」のようなものだと語る。「彼女はどこに行くのか、どうなるのかわからない人。タイラーはストームチェイサーだから、彼女を追いかけるべきなんですよ」

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エドガー=ジョーンズは、このラストシーンを「すがすがしく、良い気持ちになりました。2人の個人が、愛や関心、知性、天候への理解において非常に平等だから」と話す。「2人はキスしそうになり──それはそれで刺激的ですが──そうしないことでもっと見たくなる。絶妙なバランスだと思います」

パウエルの見方も興味深い。「彼らは天候や科学を見つめているので、同じ方向を見ているし、ともに前を向いて運転しています。(ラストシーンでは)そんな2人が向き合い、天候を見ることもせず、お互いは天候以上の存在なのだろうかと考える。(竜巻を追うことは)2人にとって愛の言葉であり、互いを結びつけるもの。美しい結末だと思います」

ちなみに、スピルバーグはチャン監督と編集室で長い時間を過ごし、さまざまなアドバイスをしたとのこと。「素晴らしかったです。本物の映画学校のようでした」とチャン監督は共同作業を振り返っている。

映画『ツイスターズ』は劇場公開中。

Source: Collider(, ),

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