シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:ねるとさん(静岡県・30代女性)

その日、通勤電車に乗っていたねるとさんは体調に異変を感じ、途中駅で降りることにした。

しかし、数歩進んだところで歩けなくなって......。

<ねるとさんの体験談>

5〜6年前の朝から暑い日のことです。

通勤電車で手すりに掴まって立っていると、目の前がグワーッっとなりました。

「車内で倒れたら迷惑になる!」と思った私は、目的地ではない草薙駅で降りたのですが......。

何人もの人たちが異変を感じて...

数歩歩いたところで脚の力が抜け、目の前が真っ暗に。倒れそうになったところで男性が腕を掴んでくれ、顔面から転倒せずに済みました。

意識が朦朧とし、視界はチカチカしてよく見えません。ただ、周囲の話し声だけは聞こえていました。

異変を感じたらしい数人の方が、駅員さんを呼んだり、ペットボトルの水を渡してくれたり、何かで扇いで風を送ってくれたり、背中をさすってくれたりするのがわかったのです。

その方たちは駅員さんが来た途端に「じゃあ後はお願いします。お大事に」と解散。

その後、救急搬送されて検査を受けましたが、おかげさまで軽度の熱中症で済みました。

私の介抱で仕事を遅刻してしまった人、仕事終わりでヘトヘトだった人もいたかもしれません。

顔も連絡先も知らないまま、ペットボトルのお水の代金も返せていません。

お礼もちゃんと言えたかどうかさえ、定かではなく、ずっと心残りです。

あの時は、見ず知らずの私を助けてくださって、本当にありがとうございました。


誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

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