練習は常に個別で、ジャンプも禁止! 220cmの中国バスケの超新星は全てが規格外「他の選手が怪我をする恐れがある」

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日本の選手と比較しても頭2つ分ほど抜けているチャン・ツーユウ。(C)Getty Images

 日中戦で異彩を放った若き17歳の超新星が世界的な注目を集めた。

 現地6月26日、中国で開催されている女子バスケットボール「FIBA U-18女子アジアカップ」のグループステージ最終戦で、U-18日本女子代表と対戦した中国代表。地元で負けられなかったチームのエースとして、圧倒的存在感を放ったのが、これが国際大会デビューとなる17歳のチャン・ツーユウだった。

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 220センチという規格外のサイズを誇る彼女は、正確無比なシュートに、リバウンドなど攻守両面でフル稼働。大会新記録となる44得点を叩き出し、97-81での勝利に大きく寄与した。

 一部の中国メディアで「すでに228センチはある」とも言われているチャン・ツーユウ。文字通り規格外な存在である彼女のプレーをFIBA(国際バスケットボール連盟)がSNS上で公開すると瞬く間に衝撃は世界に広まった。英紙『Mirror』の米版は「彼女は異論の余地もない天才。将来はWNBAに入るべき」と持ち前の体躯と得点能力の高さを絶賛した。

 元プロバスケットボール選手であった両親を持つサラブレッドでもあるチャン・ツーユウは、その規格外の体躯もあり、世代だけでなく世界的に見ても異色の存在。それでもいまだ17歳であり、心身ともに鍛えていく必要はある。

 ゆえに周囲は過度なプレッシャーを与えず、慎重に育てていく方針を取っている。中国メディア『新浪体育』の取材に応じたU-18中国代表のヘッドコーチであるウォン・クワイチー氏は、「彼女はとても礼儀正しくてフレンドリーな性格。チームメイトからも気に入られている」と指摘。チャン・ツーユウの人となりを明かした上で、日頃の練習においてチームから隔離してトレーナーと個人練習に取り組ませていると告白した。

 同メディアはチャン・ツーユウが別メニューでのトレーニングを強いられる理由について、「彼女は膝とすねを守るために分厚いニーパッドとカーフガードを着用する必要がある。試合前のウォームアップは専任のフィジカルトレーナーが担当し、チームとは一線を画す」と紹介。さらに練習中のジャンプ禁止という異例の取り組みも伝えている。

「チャン・ツーユウがジャンプをしてシュートをする練習をする場合は安全が保たれ、なおかつ非対人の状態でのみ許可される。その理由は彼女がジャンプをすると足を捻挫してしまう危険があるからであり、他の選手が接触によって怪我をする恐れもあるからだ」

 何もかもが他の選手とはことなるチャン・ツーユウ。まさにスケールの違う17歳が、ここからいかに成長するかは興味深いところである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]