2日、広島市内で開かれた記者会見でカメラにおさまる(左から)ダライ・ラマ14世、ベティ・ウィリアムズ氏とデズモンド・ツツ大主教。(撮影:吉川忠行)

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ノーベル平和賞を受賞した3人が2日、広島市中区のアステールプラザで会見し、イラク戦争は違法だったと訴え、日本の安倍晋三首相に「弱い者いじめをするアメリカの連合に加担しないで欲しい」との意見を述べた。

 南アフリカ出身のデズモンド・ツツ大主教は、アメリカが中心となって展開したイラク戦争について、国連の承認なしに一方的に宣戦布告したことを非難し、「やり方が道義に悖(もと)る」と語った。北アイルランド出身のベティ・ウィリアムズ氏は、法に基づかない侵攻が多数の子どもの命を奪ったとし、「1000年以上かけて培ったものがブッシュ大統領らに壊された」と嘆いた。

 チベット亡命政府の最高指導者ダライ・ラマ14世は、米国同時多発テロの直後にブッシュ大統領に「考え直してほしい」という手紙を書き、警告を発したことを打ち明けた。「1人を殺すという行為により、周りにいる10人が悲しみ、憎しみを持つ」と説明し、憎しみは増加する傾向にあり、テロへの報復は解決につながらないと述べた。【了】

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