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「“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「信頼されない人の特徴」を紹介します。

見ていて「なぜか不安になる人」いませんか?

 あなたの身の回りに、話を聞いていて「なぜか不安になる人」はいませんか?

 そういう人は、気づけば周囲から人がいなくなる「信頼感がない人」だと言えるでしょう。

 あなたの身の回りにも、「あの人が話しているのを見ていると不安になる」「何を話しているのかわからない」「おどおどしていて頼りない」など、一緒にいて落ち着かない人もいるかもしれませんね。

 こういったように周りに思わせないよう、「信頼感がある人」になっておくに越したことはありません。

 今回は、そのために会議やプレゼンなどの「人前で話すときにできること」を紹介します。

「原稿を読むとき」「読まないとき」の使い分け

 フォーマルな場で話すときは、「原稿に沿って間違いなく進めること」が大切です。

 しかし、原稿に目を落としたままだと聞き手とのつながりがなくなり、せっかくのメッセージが伝わりません。そうは言っても原稿を丸暗記して話そうとすると、プレッシャーで硬くなってしまいます。どうしたらいいでしょうか。

 結論から言うと、原稿を読んでも問題ありません。文章の「最後」だけ視線を上げればいいのです。

 途中は原稿に目を落としていても語尾は顔を上げて聞き手とアイコンタクトを取る。こうすれば、ずっと原稿を読んでいるという印象は持たれません。しかも、自分と相手の双方が安心できるちょうどよさもある、ベストな話し方です。

 一方、原稿に目を落としたほうが、聞き手の信頼が高まるケースもあります。固有名詞や数字などです。

 テレビ局時代の経験ですが、視聴者から「今日のニュースでアナウンサーが原稿をまったく見ずに統計の数字を言っていたが、本当に正しいのか」という問い合わせが来ることがありました。

 視聴者としては、「細かな数字を何も見ないで言っているけれど、大丈夫かな?」と思うわけです。

 アナウンサーが緊急ニュースを読む際には、文末だけ目を上げていることが多いので、テレビでチェックしてみてください。

 通常のニュース番組では、カメラのレンズの中央に準備した原稿が映し出されるプロンプターを使えるので、アナウンサーは視聴者を向いたまま話しているように見えます。

 しかし、放送直前に飛び込んでくるニュースは、プロンプターの準備が整わないため、手元の紙の原稿を初見で読まなければなりません。そんな時は、最初の一言はカメラを見て話し、その後は原稿に視線を落として読みます。

 そして文末に再び顔を上げ、視聴者に視線を向ける。これを繰り返しながらニュースの最後は「○○でした」とレンズを見て締めくくります。
 アナウンサーはそうやって、視聴者にニュースを伝える工夫をしているのです。

 このようにたとえ内容を暗記していたとしても、数字や日付、人名や固有名詞など、間違ってはいけない部分は原稿に目を落とすようにするのも一案です。

(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)