修正案の可決後、議場でポーズを決める台湾原住民族出身の(左から)林倩綺、鄭天財、高金素梅各立法委員(国会議員)ら

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(台北中央社)立法院院会(国会本会議)は14日、戸籍登記などの氏名に関する「姓名条例」の一部修正案を可決した。原住民(先住民)名を持つ原住民族は現行、戸籍登記やパスポートの申請などの際、ローマ字表記の原住民名の単独使用が認められていないが、今後可能となる。

原住民の氏名を巡っては、戸籍登記の際、漢人の氏名「漢人姓名」または原住民名を漢字で表記した「中文伝統名字」を使用する必要がある。ローマ字表記の原住民名を登録することもできるが、「漢人姓名」または「中文伝統名字」の併記が求められる。

今回の修正では今後、ローマ字表記の原住民名のみの登記を認める。またローマ字表記の原住民名で登記した人が、その後「漢人姓名」に変更することや再びローマ字表記の原住民名に戻すこともそれぞれ1度に限り認めるとした。

林右昌(りんゆうしょう)内政部長(内相)は報道資料を通じ、氏名のアイデンティティーは非常に重要だとし、社会の進歩だけでなく社会文化の向上を示していると強調。中国語表記に限定しなくなることは歴史的な意義があると述べた。またエスニックグループの融合と平等を促し、さらなる相互理解を深めると語った。

また今回の条例修正は法律で原住民族の文化や慣習を守ったと説明。原住民族の言語は原住民族文化の一部だとし、原住民族が自らの文化を伝承していくことを奨励するとした。

(陳俊華/編集:齊藤啓介)