トヨタ自動車が運営する「LEXUS MEETS…(レクサス ミーツ)」(「東京ミッドタウン日比谷」内)がカフェラウンジとしてリニューアルオープンした。2024年4月18日から、和スイーツと日本各地の魅力を楽しむ空間に。カ…

トヨタ自動車が運営する「LEXUS MEETS…(レクサス ミーツ)」(「東京ミッドタウン日比谷」内)がカフェラウンジとしてリニューアルオープンした。2024年4月18日から、和スイーツと日本各地の魅力を楽しむ空間に。カフェラウンジのテーマは、クルマが走り、見つめてきた「道」だ。

開業から6年、クルマを展示せず「道」を実感する空間へ

「LEXUS(レクサス)」はトヨタ自動車が展開する高級車ブランド。「レクサス ミーツ」は元々、ブランドの魅力を知ってもらうための“タッチポイント”(企業と客をつなぐ接点)として作られた。大規模複合施設「東京ミッドタウン日比谷」の中にある。

ラグジュアリー感漂う「LEXUS MEETS…」

2018年3月、東京ミッドタウン日比谷の開業とともにオープン。もともとは店内中央にクルマを展示し、試乗体験スペース、ブランドの世界観が味わえるブティック&ギャラリー、コンセプトカフェの3要素を中心に展開していた。

今回のリニューアルを通して、内装やカフェのメニューが一新された。中でも、重要なのがテーマ。地域をつなぎ、人と人との心をむすぶ存在としての「道」のことだ。リニューアル後は、クルマの展示をあえてやめ、クルマが築いてきた人や日本の地域との繋がりに想いを馳せることができる空間へと生まれ変わった。

車両パーツのオブジェも!日本各地との繋がりを体感できるユニークな展示

店内には、自動車文化を実感できる展示がズラリ。全国を9地域(北海道、東北、関東、東海、北陸、中部、関西、中部・四国、九州・沖縄)に分け、それぞれのエリアにまつわるものだという。

全国を9地域に分けたディスプレイ

中でも、全国各地で生産される車両パーツを使用したオブジェが面白い。北海道で生産されたトランスミッション(変速機)、三重で作られるエンジン部品のコンロッド、石川もエンジン部品のタイミングチェーンと、パーツをアレンジしたアートは、“エンスー”(クルマ好きの人)のツボを気持ちよく押すだろう。他にも、「道」を表現した写真、ミニカーなどが並び、「道」とその先に繋がる世界が広がる。

モリゾウことトヨタ自動車会長・豊田章男さんの思い出の「道」(静岡市の薩●峠=さったとうげ、●は「土」編に「垂」)を撮影した写真( MORIZOサイン入り)も飾られた空間

「道」をテーマにした現代アーティストの作品も必見

日本の美意識を現代の感覚で表現する作家の「道」をモチーフにしたアート作品も必見だ。店内を見渡すと、数点の作品が点在している。

中でも、国内外で活躍する現代工芸作家の成瀬好徳さんが日本列島の地図を再構成し、ハート形に仕上げた彫金のオブジェが目を引く。目をこらすと、オブジェの中にもうひとつハートがある。これは、トヨタ自動車の本社がある愛知県豊田市を示しているそうだ。

内の壁には「道」をテーマにしたアートが点在。手前が、成瀬好徳さんの彫金オブジェ

五街道を表現した団子も!こだわりの和スイーツに舌鼓

一新された日本各地のおいしさを表現したカフェメニューも見逃せない。ランチにぴったりの定食や、アペロ(食前酒)に最適なおつまみも充実している。看板メニューは「和スイーツ」だ。

五街道を経て出合う土地を表現した「日比谷 五街道団子」(5種 1300円/3種 800円)は、必ず食べておきたい。

旅する気分で味わう「日比谷 五街道団子」

静岡の東海道から着想を得た濃厚な抹茶餡、長野の中山道をイメージした風味豊かな栗餡、栃木の日光街道を表現した華やかないちご餡、山梨の甲州街道からインスピレーションを得た上品な味わいの赤ワイン餡、宮城の奥州街道を思い起こさせる素朴な甘みのずんだ餡。食材の味わいを引き出した5種の餡は、口に入れるだけで旅する気分を味わわせてくれる。米粉と水だけで仕上げたコシある団子にも注目だ。

蒲郡の甘味処「秀月堂」監修のかき氷は季節限定フレーバーも

トヨタとゆかりの深い愛知県蒲郡(がまごおり)市で、長年愛される甘味処「秀月堂」が監修した「秀月堂監修 かき氷」(1000円〜)もおすすめの逸品。種類はいちご・レモン・ミルクのほか、季節限定のフレーバー(現在はさくら)が揃う。シロップにはフルーツの果肉がたっぷり入っており、ぷちぷちとした食感がたまらない。氷の口どけもよく、ふわふわな食感が楽しめる。

フルーツの果肉の食感が楽しめる「秀月堂監修 かき氷」

「どら焼き あんこと旬の果実」(850円)は、小腹が空いた時にぜひ。今の時期はトロピカルなパイナップルの入ったどら焼きとなっている。生地はあえて薄く仕上げることで、北海道産あずきのシンプルな粒あんの食感を際立たせているそうだ。

店内でもテイクアウトでも楽しめる「どら焼き あんこと旬の果実」

「塩角煮と旬の野菜のせいろ蒸し定食」(1500円)は、ランチにぴったりのメニュー。沖縄県産の海塩を利用し、じっくり柔らかく煮た豚角煮、特製胡麻ダレをつけていただく旬野菜などがぎゅっと詰まっている。

丁寧に作られた「塩角煮と旬の野菜のせいろ蒸し定食」

小林可夢偉さんが監修したコーヒー

メニュ―の中には、日本を代表する「TOYOTA GAZOO Racing」のレーシング・ドライバー、小林可夢偉さんが手がけた「コーヒー 小林可夢偉さん監修」も登場。「コーヒーもレーシングカーのセッティングも、こだわりを追求していくという姿勢が通じる」という考えの元、ルワンダ産のコーヒー豆を2つの焙煎度合いに煎り分け、グアテマラ産の豆をプラスして「レクサス ミーツ」の為のオリジナルブレンドを完成させた。毎日飲んでも飲み飽きない、スッキリとした後味に仕上がっている。

小林可夢偉さん監修のコーヒー

ドライブで旅気分も満喫!3つのタイプの試乗を紹介

WEB予約すれば、レクサスの試乗も楽しめるところが同店のもうひとつの魅力だ。当日、空きがあれば予約なしでも試乗できるので、気になったら店頭スタッフへ声をかけてみよう。

レクサスRX。試乗では実車確認のほか、ドライブできるプランも用意

レセプションで受付を済ませたら、試乗体験の説明を受け、車両へ。レクサス15車種(モデルによって試乗車のパワーユニットの設定が限定されているので詳細は公式HPを参照)のうち10以上の車種から空きのある好きなクルマを選ぶことができる。外観や内装、座り心地を確認できる「実車確認」プランはもちろん、実際に街に出てクルマで走ることのできる「ショートコース」プランや、「ロングコース」プランもある。。

「ロングコース」を選択すれば、ほぼ一日ドライブを楽しめる

「ショートコース」は最大90分、「ロングコース」は最大7時間のドライブが堪能できる。どちらも複数のコースから行きたいエリアを選択できる点がポイントだ。「ロングコース」には、南房総・富士をはじめ山と海の魅力を満喫するコース、森の魅力を感じるコースなどがあり、ドライブを満喫できる。いずれも無料だ。

新メニューやカフェラウンジの空間はもちろん、試乗も合わせて日本の「道」の魅力を体感できる新拠点にぜひ足を運んでみてほしい。

■「LEXUS MEETS…(レクサス ミーツ)」
[住所]東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷 1階
[営業時間] 11時〜22時(L.O. Food、Drink共に21時半)
[電話] 03-6273-3225
[休日] 年中無休
[交通]地下鉄千代田線・日比谷線 ・都営地下鉄三田線「日比谷」駅直結
https://lexus.jp/brand/lexus_meets/

文・写真/中村友美
フード&トラベルライター。東京都生まれ。美術大学を卒業後、出版社で編集者・ディレクターを経験後、現在に至る。15歳からカフェ・喫茶店巡りを開始し、食の魅力に取り憑かれて以来、飲食にまつわる人々のストーリーに関心あり。古きよき喫茶店や居酒屋からミシュラン星付きレストランまで幅広く足を運ぶ。
趣味は日本全国の商店建築巡り。