大西洋のサンゴ礁に浮かぶ700を超える島で構成されているバハマは、観光業やタックスヘイヴンなどの金融業が経済の中心となっており、2016年に公開されたバハマ文書で名前を聞いたことがある人も多いはず。これまで犯罪多発都市や沈みかけの絶海の孤島、人よりホッキョクグマが多い世界最北の町などに弾丸現地取材してきた「ドメイン島巡り」の第44回目となる今回は、バハマに30近くある有人島の1つ「ニュープロビデンス島」に行って、首都であるナッソーの魅力を探ってきました。

ドメイン島巡り - 世界のドメイン1,000種類以上を取り扱うインターリンクが、「.cc」「.tv」「.sx」等、南太平洋やカリブ海などの「島のドメイン」約50種類に焦点をあて、実際にその島々に行き、島の魅力をレポートします。

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◆バハマはどこにあるのか?

バハマはカリブ海に浮かぶ島国でフロリダ半島から約800km、南西にキューバ、南東にハイチがあります。人口は2022年発表のデータで約41万人、国土面積は1万3880平方kmで福島県とほぼ同じ大きさです。使用されている通貨はバハマドル。レートはアメリカドルと等価で、アメリカドルも利用できます。公用語は英語。日本との時差はマイナス14時間です。

目次

◆ナッソーを散策

◆カリブの海賊の聖地にあるパイレーツオブナッソー博物館

◆奴隷に作らせた女王の階段と仮想通貨コワーキングスペース

◆パラダイス島の巨大テーマパークリゾートはまさにパラダイス

◆バハマの食事事情はこんな感じ

◆街で見かけた「.bs」ドメイン

◆現地でのSIM購入&速度調査

◆ナッソーを散策

リンデン・ピンドリング国際空港に到着。



空港のタクシー乗り場から、タクシーで首都のナッソーに向かいます。



道中では、ナウルと同じように、放し飼いの犬を多く見かけました。



空港から約30分でナッソーに到着。



バハマは1964年に自治権を獲得するまでイギリスの植民地になっており、記事作成時点でもイギリス連邦の加盟国です。街にはイギリスの影響が色濃く残った建物がたくさんあります。



小さな島国なので、目に映る建物がほとんどコンパクトです。少し大きめのこの建物は国土測量局。ここで土地の登記などの手続きができます。



港ではカリビアンクルーズの寄港先として、たくさんの大型客船が停泊していました。



その近くには沈みかけの船。投棄されているようです。



スターバックスを発見。ナッソーにはスターバックスが14店舗あります。



この店舗ではバハマ限定マグカップが販売されていました。



ナッソーの街中にあったウェルカムメッセージに描かれているカジキマグロは、バハマが1969年に発行した50セント銀貨のデザインにも使用されています。



カジキマグロはカリブ海にも多く生息し、バハマでは海の象徴として国章にも取り入れられているのです。



◆カリブの海賊の聖地にあるパイレーツオブナッソー博物館

1706年から1718年まで、海賊共和国と呼ばれる海賊の共同体がナッソーを拠点として活動していました。ナッソーの中心地に海賊の歴史を知ることができるパイレーツオブナッソー博物館があるということで、行ってみることにします。入館料は大人1名につき14バハマドル(約2060円)。



中ではリアルに作られた蝋人形などで海賊たちの様子をみることができます。



音声や照明なども利用し、五感に訴えるように当時のナッソーの街並みが再現されています。以下の動画を見れば館内の雰囲気が伝わるはず。

カリブの海賊の聖地バハマにあるパイレーツオブナッソー博物館 - YouTube

投獄されている海賊。あまりつらそうな表情をしていません。



館内には至るところに「〇×クイズ」が用意されています。例えばこの問題は、「この絵のように、海賊は捕らえた者を板の上で歩かせることがよくあった。〇か×か?」



下の黒い布をめくると正解が書かれています。この問題の正解は「×」。海賊が捕らえた人を板の上で歩かせるという表現は多くの物語や映画で使われているため、頻繁に行われていたと思っている人もいるかもしれませんが、記録によると実施されたのは1件だけとのこと。



リラックスしている海賊たちを横目に、博物館を後にしました。



◆奴隷に作らせた女王の階段と仮想通貨コワーキングスペース

博物館から歩いて10分ほどのところに女王の階段があります。「女王」とは、英国のヴィクトリア女王のこと。ヴィクトリア女王が即位した後に奴隷制度が廃止されたため、これを称えて「女王の階段」と命名されたそうです。



この階段は当時の奴隷たちが手作業で作ったもの。数えてみると66段ありました。



横幅は成人女性が2人並んで通れるくらい。



階段を上から眺めていると、男性が階段をエネルギッシュに駆け上がってきました。



話を聞いてみると、日々のトレーニングにこの階段をいつも走り抜けているとのこと。



続いて、仮想通貨系コワーキングスペースのクリプトアイル(Cryptoisle)に向かいます。2020年後半に「Digital Assets and Registered Exchanges」と呼ばれるデジタル資産と登録取引所に関する法律が成立したことで、バハマは仮想通貨ビジネスの中心地となりました。公式サイトによると、クリプトアイルはブロックチェーン技術と仮想通貨を通じて、カリブ海の経済的・文化的成長を刺激することを使命としているそうです。



しかし、2022年11月の仮想通貨取引所「FTX」の経営破綻と同社代表のバンクマン・フリード氏の逮捕によって、バハマの仮想通貨ビジネスは崩壊してしまいます。気さくで話し好きなタクシー運転手さんでも、仮想通貨の話題を出すと「あなたはFTXの関係者なのか?」と口を閉ざしてしまいました。



クリプトアイルは私たちがアクセスできる唯一の仮想通貨関連施設です。



クリプトアイルに到着。



オフィスに行くと、クリプトアイルの運営者の一人である女性に話を聞くことができました。残念ながらFTXの破綻以降、多くの仮想通貨系プロジェクトがクローズしてしまい、記事作成時点ではコミュニティとしてあまり機能していないとのことでした。



コワーキングスペースの利用者がGoogleの口コミですばらしいと絶賛するマリーナの景色を堪能してから、次の目的地である巨大テーマパークリゾート「アトランティス・バハマ」へと向かいます。



◆パラダイス島の巨大テーマパークリゾートはまさにパラダイス

続いて、古代都市「アトランティス」をモデルとして作られたテーマパークリゾートのアトランティス・バハマへ向かいます。アトランティス・バハマはクリプトアイルのあるニュープロビデンス島ではなく隣のパラダイス島にあり、クリプトアイルからは約1kmの距離で、車だとわずか3分ほどで行けます。有料のアトランティス橋を渡ってすぐです。



到着しました。ホテルも併設されていて、客室は2500以上もあり超巨大です。



海に隣接しているので船の乗り入れも可能。



受付はまるで美術館のような感じ。



受付の奥には広々とした快適なラウンジがあります。



上の写真の奥の方で青白く光っていたのは巨大な水槽。魚がたくさん泳いでいます。



屋外に出ると家族連れが楽しめる巨大なプールがあったり、ミズガメやサメがいたりしました。こちらはサメです。



屋外を歩いていると水上遊園地を発見。ウォータースライダーなどのさまざまなアクティビティを楽しむことができます。



お土産屋さんもありました。



中に入ってみると、バハマ名物のラム酒やラムケーキなどのお土産が充実していました。



散歩していた猫



施設に併設されているカジノ



ゲームコーナーにはパックマンがありました。



ちなみに今回の取材のために宿泊したホリデイインエクスプレス&スイーツナッソーIHGホテルは、一泊一人当たり317バハマドル(約4万6500円)。バハマの物価はとても高く驚きました。



◆バハマの食事事情はこんな感じ

お腹が空いたのでカジノコーナーの隣にあるレストランに夕食を食べに行きます。お店の名前は「NOBU」。世界5大陸30都市に展開している高級和食レストランです。通されたウェイティングエリアにはカジュアルな服装の人もいれば、バッチリ決め込んでセレブオーラを放っている人もいました。



豪華なカウンターで寿司を握る職人たち。



オシャレなシャンデリア風照明など、贅を尽くした内装になっています。



店内にあるバーカウンターは落ち着いた雰囲気。一つの店舗の中に、全く異なる雰囲気の空間が違和感なく同居しています。



NOBUではすべての料理が日本では信じられないほどの高級価格です。このみそ汁はなんと10バハマドル(約1470円)。ほんの少しのネギと菜葉、欠けて小さくなった豆腐らしきものが入っていて、味は普通でした。



バハマ名物のコンク貝のカルパッチョ(28バハマドル、約4200円)はコリコリとした触感がとてもおいしかったです。



お寿司はおまかせ握りを注文。これで65バハマドル(約9500円)ですが、海外とは思えないクオリティの高さでした。ローカライズされたアレンジ寿司ではなく、日本国内で食べるお寿司と同じです。



ウェイターさんのおすすめということで、焼きロブスター(70バハマドル、約1万300円)も注文しました。



◆街で見かけた「.bs」ドメイン

それぞれの国には、「ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)」という国ごとに割り当てられたドメインが存在します。「ドメイン島巡り」は、そんなccTLDの中でも「島国」に割り当てられている約50種類のドメインに焦点をあて、実際にそのccTLDが割り当てられている島国を訪れて現地の魅力をレポートすると共に、「現地でそのドメインがどのように使われているのか?」を調べるのが目的。

バハマに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.bs」です。

街で「.bs」ドメインを探していると、官公庁で使用されているのを発見。



こちらは建築会社。



◆現地でのSIM購入&速度調査

今回はeSIMのAiraloを利用しました。速度は15Mbpsでした。



海外に行く予定のある方は以下のページも参考にしてください。

最強の海外用eSIMはコレだ!海外用Wi-Fiはやめておくべきこれだけの理由|株式会社インターリンク

https://note.interlink.blog/n/nbc08ddc8169e

というわけで、今回のドメイン島巡りで訪れた場所は以下のGoogleマップ上でまとめて確認可能。

また、「バハマまで実際どうやって行けばいいの?」というアクセスの詳細はここから確認可能です。

ドメイン「.bs」の詳細や申し込みについては、以下のリンクから確認できます。

bsドメイン登録(バハマ)|世界のドメイン取得、コンサルティングならGonbei Domain(ゴンベエドメイン)



(文・写真:インターリンク https://www.interlink.or.jp/

ドメイン島巡り https://islanddomains.earth/)