「すぐキレる子」にはどう接すればいいのか。心理カウンセラーの中島輝さんは「親が否定的な言葉を繰り返すと、子どもの自己肯定感はどんどん下がっていく。まずは子どもの言動に理解を示して、親も一緒に考える姿勢を示してほしい」という――。

※本稿は、中島輝『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

■鉄則は「親が感情的にならないこと」

「わが子はすぐキレてしまうんです……」「できないとキレてしまいます」といったご相談は多いものです。そこで、すぐキレてしまう子に対しての接し方を、5つ紹介します。

,泙困母さん、お父さんが自分の感情をコントロールする

子どもがキレたとき、親のほうは絶対に感情的にならず、冷静に対処するのが鉄則です。

写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

難しいことですが、キレているお子さんを目の前にしたときは、まずそのお子さんではなく、親御さん自身の感情のコントロールに意識を向けることが大切です。

多くの場合、「なんでキレているの?」「どうすればいいの?」とお子さんの感情をコントロールすることばかり考えてしまい、親御さん自身が感情のコントロールができなくなっています。まずは親が冷静になりましょう。

■キレる感情は人間ならだれにでもある

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キレること、つまり怒りを感じることは人間として自然なことなのだということを、子どもに伝えてあげてください。親御さん自身にも、こころのなかでいい聞かせましょう。

キレる感情、怒りの感情に対して受け入れる姿勢をもつことはとても重要です。怒りに限らず、感情というものは出てしまうものだということ。そのことをきちんと子どもに伝え、親御さん自身も理解をすることです。怒りはみんなにある適切な感情だと受け入れましょう。

■効果的な声かけは「いっしょに考えよう」

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キレてしまった原因に対して、「どうすればこの問題が解決するか、いっしょに考えようか?」と声をかけてあげましょう。この声かけは、実際によく親御さんに試してもらっているのですが、とても効果が高い声かけの成功事例の1つです。

じつは、子どもがキレると、お母さん、お父さんもそれに反応してキレてしまうことがとても多いのです。このとき、いっしょに考える姿勢を見せることで、お子さんも冷静になれます。

このように未来に視点を向ける質問が効果的な質問です。ぜひ試してみてください。

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一般的にキレてしまった場合、それを肯定的に受け入れてもらうことはまずありません。受け入れてもらえなかった子どもは、何かあればますますキレるようになるだけでなく、自己肯定感は下がる一方です。

まずはキレたことを受け止め、ポジティブな声かけをしましょう。たとえば「怒ってキレてしまうことは、だれにでもあることだよ」「自分の感情をどうコントロールするか、そのトレーニングだね」「これからこの気もちを、勉強(または部活やクラブなど)にどう転換できるか、いっしょに考えよう」などと、とらえ方のヒントを提示してあげましょう。

このように、お母さん、お父さんが、未来に役立つとらえ方を提案すると、徐々にキレることが少なくなっていきます。

■冷静になったときに原因を問いかける

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キレたその場ではなく、時間がたって落ちついてから行うことです。

なぜキレてしまったのか、その理解を深めるための質問をします。たとえば「そういえばこのあいだ、○○のことですごく怒ったよね。あれって、なんだったんだろうね」というふうに問いかけてみます。

冷静な状態で、自分はなぜあんなに怒ってしまったのか、原因の分析をするのです。この問いかけによって、キレるという症状がなくなっていきます。

種明かしをすると、ここで紹介した5つの接し方は「自己肯定感を上げる」方法でもあります。どういうことかというと、キレるお子さんをどうにかしようとするよりも、親の対応や言葉かけで自己肯定感を上げてしまったほうが効果的だということなのです。

■片付けをしなくても叱り続けてはいけない

次に、わがままなお子さんを自己肯定感が高い子どもに導く方法を3つ紹介します。

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わがままなお子さんに対しては否定的な言葉をかけず、肯定的にとらえた言葉かけをすることです。小学校の男の子の例です。「片づけをせず、部屋を汚す。片づけなさいといってもいうことを聞かない」というご相談でした。

写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/monzenmachi

親としては「なんでこんなに散らかすの!」「何度いったらわかるの!」といってしまいたいところですよね。でもそんな言葉かけを毎日繰り返していたら、「ぼくは部屋を散らかす子、片づけられない子、何度いってもわからない子」という言葉のシャワーを浴びつづけ、自己肯定感は下がる一方です。

そこで親御さんに「片づけて!」と怒りたい気もちをこらえ、「今日はたくさん遊んだね〜よかったね〜」などといってもらうようにしました。まずはその子の存在を肯定し、次に行動を称賛するのです。片づけの声かけは、その後というわけです。

■子どもが「共感してもらえた」と感じればOK

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「なんで理解なんてしなくちゃいけないの?」という声が聞こえてきそうですが、これは理解を示すポーズでかまいません。

子どものわがままは一切聞かない、とシャットアウトしてしまうのではなく、わがままをいってきたら「なるほど、そうか」「うん、うん」と聞くだけでOKです。

わがままを頭から否定せず、フリでいいので「聞いているよ」という姿勢を示すことが大事です。子どもは共感してもらえたというだけで、ここにいていいんだという自己肯定感のきほんである安心感(心理的安全性)が湧き出てきます。

■親子共通の課題としていっしょに向き合う

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中島輝『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』(SBクリエイティブ)

子どもはわがままをいうことで自分の意見を伝えたいのです。でもお母さん、お父さんとは考え方が違います。だから対立したり否定したりするのではなく「いっしょに考えてみよう」と提案するのです。どちらか一方の課題ではなく、親子共通の課題としていっしょに考えること。これはアドラー心理学の「課題の分離」という方法で、子育てにも使えます。

たとえば「ゲームを毎日制限なくやりたい」といい張るお子さんがいたとします。

「ゲームが楽しいのはわかるよ。でもゲームに時間をとられて、勉強する時間がなくなるのは困るよね。勉強することは将来とても大切なことだから、ゲームの時間をどうするか、いっしょに考えてみようか」などと話し合っていきます。

■わがままの背景には欲求不満がある

じつは、ここで紹介した3つの方法は、ある万引少年の親御さんからご相談を受けて、更生していった方法です。

わがままなお子さんというのは、全員ではありませんが、その背景に親御さんの愛情不足による欲求不満があることが多いのです。わがままをいうことで、親の気を引きたい、親に振り向いてほしいのです。

ですからこの3つの方法に加えて、ことあるごとに愛情を示したり、サポートする姿勢を示したり、忙しくても親子の時間をもつように意識してもらうと、より変化が早いでしょう。子どもの承認欲求をいちばん満たしてあげられるのはお母さん、お父さんです。

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中島 輝(なかしま・てる)
心理カウンセラー
自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。困難な家庭状況による複数の疾患に悩まされるなか、独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを10年以上実践し続ける。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれメディア出演オファーも殺到。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』『自己肯定感diary 運命を変える日記』(すべてSBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)などがある。
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(心理カウンセラー 中島 輝)