ザ・ボディショップ(The Body Shop)は3月1日に米国とカナダで破産を申請したことを受け、米国でのすべての事業と店舗、およびカナダにある数十店舗も閉鎖する。

カナダでの申請で、同社は地主、物流業者、プロバイダー、マーケティング代理店、保険会社、公共サービス、輸送サービスプロバイダーに対し、330万ドル(190万ポンド、約4億9800万円)の負債があることが明らかになった。また、化粧品ブランドである同社のオーストラリア部門は現在、クリスマスシーズンの繁忙による負債の払い戻しに苦戦しており、財務的な破綻の危機に瀕している。

同様の問題により英国部門は、英国での事業をプライベートエクイティグループのオレリウス(Aurelius)に売却したあと、今年2月に破産した。

資金調達のための選択肢はほぼなし



ザ・ボディショップは2023年11月から12月にかけて、主要な海外ビジネスが共有のグローバル口座に送金する際に「キャッシュプーリング(cash pooling)」を実施していたと消息筋は語る。しかし、同社の英国における親会社が会計事務所のFRPアドバイザリー(FRP Advisory)を管財者として呼び入れたことで、この口座の資金は凍結された。

ザ・ボディショップの北米およびオーストラリア部門は英国部門の債権者としてみなされ、支払いまで数カ月待つ必要があるという。同社ドイツ、デンマーク、アイルランド、ベルギーの各部門はすべて破産状態にある。スペイン・スウェーデン、フランス、オーストリア部門はオーナーシップ問題の解決待ちだ。

さらにザ・ボディショップは、自社のeコマースプラットフォームやAmazonなどの卸売パートナー経由のサードパーティマーケットプレイスへのアクセス権も失った。eコマースはライトエイド(Rite Aid)やベッド・バス・アンド・ビヨンド(Bed Bath & Beyond)など経営難に陥ったほかの小売業者の助けとなり、破産申請後の売上回復に役立ったが、ザ・ボディショップには資金調達のための選択肢があまりない。

すでにサプライヤーへの支払いに苦しんでいることから、新たなストックオプションに投資できないことも理由のひとつだ。

苦境にある北米の小売業者たち



3月中旬に発表されたGlossy+リサーチ(Glossy+ Research)のeコマースフルフィルメント調査によると、期待外れなホリデーセールシーズンのあと、売上を回復させようと奮闘している小売業者たちは、店舗フォーマットを復活させ、デジタルフルフィルメント能力の拡充に注力していることが明らかになった。



セフォラ(Sephora)、アルタ(Ulta)、ディックススポーティンググッズ(Dick’s Sporting Goods)などの専門小売店は、オンラインでの商品検索や返品の手軽さにより、シームレスなデジタル体験を作り上げることに注力してきた。ターゲット(Target)やウォルマート(Walmart)などの大手小売業者は、オンライン注文の迅速な配送のために大規模な流通ネットワークを構築し、突然の注文変更にも柔軟に対応している。

百貨店のメイシーズ(Macy’s)、ノードストローム(Nordstrom)、コールズ(Kohl’s)は大手小売業者と競合するために自社の流通ネットワークを構築中だが、現在のところはより小規模形式のコンセプトストアや、コールズ×セフォラのようなショップ・イン・ショップ(shop-in-shop)の提供など、店舗形態を改良し、対面でのショッピング体験を重視している。

[原文: Research Briefing: After filing for bankruptcy, The Body Shop closes U.S. operations versus becoming digital-only]

DANIA GUTIERREZ(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果)