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ハリウッドが、初めて本気で日本を描く。そして日本が、初めて本気でハリウッドに挑む……。1980年のベストセラー小説を『トップガン マーヴェリック』の原案を手掛けたジャスティン・マークスとレイチェル・コンドウらハリウッドの製作陣の手で新たに映像化。真田広之が主演とプロデューサーを務め、日本の武士道精神を、かつてないほど忠実な形でハリウッド映像化させた超スケールの戦国ドラマ「SHOGUN 将軍」ジャパンプレミア試写会が、2024年2月19日、TOHOシネマズ日比谷にて行われた。

ステージには、真田広之(プロデューサー/吉井虎永役)、コズモ・ジャーヴィス(按針/ジョン・ブラックソーン役)、アンナ・サワイ(戸田鞠子役)、平岳大(石堂和成役)、西岡徳馬(戸田広松役)、二階堂ふみ(落葉の方役)、ジャスティン・マークス(エグゼクティブプロデューサー/ショーランナー)、レイチェル・コンドウ(エグゼクティブプロデューサー)、ミカエラ・クラベル(エグゼクティブ・プロデューサー)が登場。それぞれの語った内容を、本記事では全文書き起こしてレポートする。

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まずはプロデューサー陣が登場し、それぞれ日本の観客へメッセージ。ショーランナーでありエグゼクティブプロデューサーのジャスティン・マークスは「本日はよくぞおいでくださいました。私もレイチェルも、そしてミカエルはもっとですが、かなり長い期間をかけて本作を作りました」と挨拶し、「『SHOGUN 将軍』は、イースト・ミーツ・ウエストな物語です。製作そのものも、イースト・ミーツ・ウエスト物語でした。今日は本作のキャストやクルーがたくさんきています。たくさんのことを分かち合ったみんなと、今日は久しぶりに会えました。とにかく、今日皆さんと分かち合えること、我々一同とても興奮しています。ありがとうございます」と語った。

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同じくエグゼクティブプロデューサーのレイチェル・コンドウは「ジャスティンが言ったように、今日こうやってここに立てていることが、まるで小さな奇跡のようです」と感慨深げだ。「皆さんの前にこうして立っているのはこの三名ですが、本作には何千もの人たちが、自分の持つ才能、心、そして思いを注いでいます。そして、ようやく皆さんに観ていただくことで、ついにこの作品に命が吹き込まれます。今日はお越しいただき、本当にありがとうございます。私たちの心を皆様へ届けます」。

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原作者ジェームズ・クラベルの娘であり、本作にはエグゼクティブ・プロデューサーとして父である原作者の意思と共に参加したミカエラ・クラベルは、「まずはここにいるジャスティンとレイチェルに御礼を言いたいですが、他にも感謝したい人はたくさんいます。私の父が誇りに思えるような形で、原作の本を映像化してくださいました。本当に魔法的なドラマです。原作の本が現実になりました。簡単なことではなかったと思います」と、原作に忠実な映像化を祝福した。「この作品には、8年以上も取り組んできました。ここまでの道のりは全てが奇跡のようでした。父も誇りに思うと思います。そして、皆さんもそう思うこと願います。ありがとうございます」。

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ここで、ジャスティンの呼びかけによりキャスト一同が登壇。真田広之は「本日はようこそおいでくださいました。長い旅路の果てに、ようやく皆様に、そして本国日本の観客にお披露目できる日が来たことを、本当に嬉しく思います」と座長としてメッセージ。「ここにいる、そしてまた、ここにいませんけれども、支えてくれたスタッフ・キャストの情熱の結晶を観ていただける日が来て、本当に嬉しく思っています。今日はよろしくお願いします」。

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按針/ジョン・ブラックソーン役のコズモ・ジャーヴィスは「こんばんは。ジョン・ブラックソーンを演じています。イギリス人の舵手で、オランダの船に乗って日本にやってきます。反抗的で、ちょっとぶっ飛んでるところがあります。彼は自分で主導権を握っていると思っているのですが、果たしてどうなのかな?という男です」と語った。

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細川ガラシャをモデルとする戸田鞠子役のアンナ・サワイは「こんばんは、皆さま。来てくださって、ありがとうございます。私が演じるのは、戸田鞠子という役で、キリシタンの心、そして侍の心、二つを重ねた人物なんですけれども。とても繊細で、たくさんの傷を負って、自分の務めを見つけるという、そんな役です」と紹介。「どんな思いで演じた?」という問いかけには、次のように話した。

「個人的にはたくさんの西洋のプロジェクトを見てきたり、携わって来たんですけれども、やっぱり日本人の女性の描かれ方というのが、ココちょっと違うなと思う作品がたくさんありまして。今回この『SHOGUN 将軍』をやるにあたって、ジャスティンが日本のクルーを引き連れて、日本のプロデューサーさんたちを入れて、作品を忠実に作りたいという思いを聞いた時に、多分、日本人の女性にもっと深みを、中身のあるストーリーを与えてくださるんだろうって。彼女の葛藤を、言葉にしなくても映るように演じました。」

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石田三成をモデルとする石堂和成役、平岳大は「石堂和成という、真田さん演じる虎永の敵役を演じました。倒し甲斐のある敵役を作ろうと意識して、10話演じました。よろしくお願いします」と挨拶した。

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虎永の家臣を演じた大ベテランの西岡徳馬は、「どうもこんばんは。ようこそおいでくださいました。私は、戸田広松という、真田くん演じる虎永の、幼い頃から一緒に育った忠実な家老、側近中の側近を演じさせていただきました」と説明したのち、「いやぁ、楽しかった!」と朗らかな笑顔。「もう、素晴らしかった!今まで五十数年、俳優やってますけれども、こんなに素晴らしい時代劇を描いた外国の作品は、今までない。もう、これは明言できます。すっばらしい作品になりました。是非是非、皆さん、ご堪能ください!ありがとうございます」。

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茶々に基づく落葉の方を演じたは二階堂ふみは、「皆様こんばんは。二階堂ふみです。今回、落葉の方を演じさせていただきました。私自身、この作品はオーディションで参加が決まったんですけれども、本当に現場で素晴らしいスタッフ、キャストの中で色々な経験をさせていただきました。真田さんが積み上げて来たものが、この作品に詰まっているんだなということを、現場からも、そして完成したものを観ても感じました。今日は楽しんでいってください。ありがとうございます」と笑顔を見せた。

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以降、MCによる質疑応答が展開された。キャストによる驚くべき制作秘話や、「SHOGUN 将軍」への理解と思い入れがグッと深まる貴重なエピソードが語られてた。真田広之は、自身の撮影がない日でも毎日朝から晩まで撮影を見守り、極寒の撮影地カナダをひとり走り回っていたという……。

──按針役のコズモ・ジャーヴィスさん。馴染みのない、そして時代の違う世界を描くのには苦労があったのでは。座長である真田さんとの、撮影現場での様子は?

「難しかったことが、むしろ役に立ちました。なぜなら、ブラックソーンの物語と合うものだったからです。コミュニケーション上の障壁が、むしろプロセスにおいて有用だったんです。

真田さんとは、最初は目線だけでコミュニケーションをしていました。それも、シーンに合っていたので良かったと思います。そして、製作が進むにつれて、よりお互いのことを知るようになっていきました。彼は、質問がある時はどんな時でも答えてくれて、素晴らしい仕事の姿勢を、実例をもって示してくださいました。」

──戸田鞠子役のアンナ・サワイさん。演じたシーンの中で、ネタバレにならない範囲で思い出に残るところはありますか?

「思い出に残る……。全て重要なシーンなので、一つ選んでくださいと言われた時は難しいんですけれど……。えー……(笑)ネタバレになるシーンしかない!どうしよう……!ごめんなさい、ネタバレしない程度で話して良いですか?鞠子が、ある決断をする、分岐点になるシーンがあるんですけど。そのシーンの時点で、私は半分鞠子だった(成り切っていた)ので、本気でやりすぎて、途中で薙刀が半分に折れてしまったり、お家に帰ったら歯がちょっと欠けてたり……みたいな、そんなシーンがありました。」

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──落葉の方役の二階堂ふみさん。虎永の権力に終止符を打つためになんでもやるという役です。初のハリウッド作品デビューはいかがでしたか?

「本当にびっくりするような経験の毎日で、作品を作るプロセスも全然違いますし、贅沢な時間を過ごさせていただいて。一番最初にセットを見学させていただいた時は、こんなに大きな照明が世の中に存在するのかって思ったくらい、大きな照明とセットと……。撮影するシーンが長かったりとか、着物だったりヘアセットだったり、すごく時間のかかる撮影だったんですけれども。

その間で、常に美味しい美味しいドーナツとコーヒーがいただけるカフェカーが、私にとっての憩いの場になっていまして。いつの間にか、私のことを呼び込みしてくださるスタッフの方が、私の顔を見るたびに“ドーナツ?”って聞いてくるようになって(笑)。そういう朗らかな瞬間もあって、素敵な経験をさせていただきました。」

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──虎永最大のライバル石堂役、平岳大さん。演じる相手としての真田さんもそうですが、プロデューサーとして奔走する真田さんはどうでしたか?

「もちろんブレインとしての真田さんとしても素晴らしいんですけれども、ご自身が出られていないシーン、出演がない日でも、毎日、本当に最初から最後まで現場にいらっしゃって、エキストラの衣装を直したりとか、ヘアを直したりとか、本当に頭の下がる思いでした。

ある日、バンクーバーで、すごく寒い夜の撮影があったんですが、僕が馬の上に乗って、家臣と会話するシーンを撮っていた時。ものすごく寒くて、監督は暖かいベースから出てこないんですね。で、僕に対するダメ出しを、なんと真田さんが、監督と俺の間を……、“次はこうしてください”っていうのを真田さんがやってくださって、馬上の僕はどうして良いのか、もう芝居どころじゃないというくらいお世話になり……、(笑)ありがとうございました。」

真田「やりたがりなもんですから(笑)」

──戸田広松役の西岡徳馬さん。旧知の真田さんとハリウッド作品での共演となりました。出演を決めた理由は?

「僕は、真田ヒロ君とは随分昔から一緒に作品をやらしていただいて、彼の人柄はよく知っている。オーディションを受けて、この役誰がやるんだろうって思って。虎永の役をね。誰も教えてくれなかったのね、最初のうちは。それで、(制作が)迫ってきた頃に、真田がやるって聞いて……、これはもう、絶対にやりたい!と思ったら、運よく、本当に運よく、呼んでいただきまして。

まず、2021年の8月23日に、僕は羽田をたってバンクーバーに行ったんですけれど。それから一週間後に、会いたいなと思ってたら、お膳立てしてくれて。公園で、良い~天気の日……。8月の30日。もう絶対忘れないけど、あの日。あの日、会たんですよね。ヒロとね。それで、感動的に抱き合って、頑張ってやろうねって。

それで……、真田と西岡がいて、日本の時代劇ってこんなのかって言われないような、恥かかないような作品を絶対に作ろう。僕は、日本の武士道を、武士道スピリットを、この作品で見せたいから、オーディションを受けて来たんだよって言ったら、ぜひそれをやろう!って、固く誓って……、最後の最後まで、出来ました!僕はもう、本当、感動!本当に、もう、胸がいっぱいになるくらい。

一番大好きなシーンは、言えないですけどね!ネタバレになるといけないから。もう、ここまで言いたいんだけど、言わずにガマンして……。(素晴らしいものが)ありますから、観てください!本当に!もうすごい、感動しました!彼はすごい。今、平くんが言ったみたいにね、全シーンですよ?自分が出ていないシーン、全シーン、行って。コロナの最中ですから、マスクを二重にして、ゴーグルをして、万全の体制でやってくれてね。みーんな、感動していました。彼の俳優スピリットだよね、あれはね。ありがとうございました!素晴らしい!」

──真田さん。渾身の作品を、いよいよ皆さんに見ていただく。改めていかがですか。

「あの、そうですね……。えぇ……。もう、なんか……、感無量で。何から言っていいかわからないくらいなんですけれども。先ほど、役について話すのをすっ飛ばしましたね、私。興奮してて(笑)。

虎永を演じました真田広之です(笑)。エッヘヘ(笑)。

この役をお引き受けしようとなった時に、なぜ今、この役を演ずるのか、ということを考えた時。やはり、モデルである家康公の功績。戦乱の世を終わらせ、長きにわたる平和な時代を築いた。その役を演ずることというのは、まさに今、この時代だからこそ求められているヒーロー像なのではないか、という思いで飛び込みました。

そして、プロデューサーとして、できる限り原作を尊敬して、忠実に描きながら。ジャスティンとレイチェルと相談して作ったシナリオとスクリプトに沿って作っていこうと。歴史はもちろん、大事なことなんですけど、このオリジナリティをどうやってクリエイトするのかが、まず一番大事で。

あとは、勇気を持って日本から海外の作品に飛び込んでいただいたキャスト、そして時代劇のスペシャリストのクルーたちの才能をいかに最大限引き出すのかということが、自分の仕事だと思って、現場で一緒に戦ってきました。

このような東西の壁を乗り越えて、一丸となって作ったことこそが、一つの世界へのメッセージだと思っています。このストーリーと、メイキング・オブ・SHOGUN。この両面で世界にアピールをして、見ていただいた方に何か感じ取っていただけたら。そういう思いでやって来たんですが、常に日々、楽しくてですね。もう、本当に、現場を離れるのが寂しいくらい楽しくて。本当に素敵な経験をさせていただきました。」

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──真田さん。最後に、これから作品をご覧になる方に一言いただけますか?

「見どころは、もう全シーン。毎カット毎カット、全てと言いたいですね。全てのエピソードが宝物です。参加した者たちの思いを汲み取りながら、観ていただき、今日は一話と二話(の上映)だけですけど、これはまさに始まりにすぎません。二話、三話と回を増すごとに、濃く、激しく、ドラマチックに盛り上がっていきますので、是非最後まで堪能していただければと思います。ありがとうございました。」

ドラマ「SHOGUN 将軍」は2024年2月27日(火)、で独占配信。初回は1~2話。

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