LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社の盛岡笑奈氏
LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社の盛岡笑奈氏が、31日の都内で、障害のある作家を対象とした国際アートアワード『HERALBONY Art Prize(ヘラルボニー・アート・プライズ)2024』の記者発表会に、審査員の一人として登壇。初開催となる、このコンペティションの広がりを期待しているそうで「たくさんの異彩が開花するコンペになってほしい」とメッセージを発信した。

この度、国際アートアワードの一つとして『HERALBONY Art Prize』を創設したのは、ヘラルボニー社。同社は「異彩を、放て。」をミッションにしていて、アートを起点に新たな価値や文化の創造を目指す福祉実験カンパニーであるとの会社紹介をした。今回のアワードを通じて、障害者ではなく、ひとりの作家としてその才能が評価され、さらなる活躍の道を切り開いていけるようにとの思いを込めて立ち上げたそうだ。

発表会では、本日・1月31日「異彩(イサイ)の日」から、アワードへの公募を開始したと知らせつつ、今後は、8月上旬に受賞者やファイナリストの作品が一堂に集結する展覧会や授賞式等の関連イベントを予定していると明かした。

▼ LVMH社の盛岡笑奈氏


審査員として携わるというLVMH社・盛岡氏は「普通じゃないというところに感動、そして可能性があるという、それらの言葉を聞いて、感動いたしました。文化やアートを通じて、固定観念にとらわれない、型破り、新しいものに挑戦していくということは、我々の会社としても大事にしている企業理念と重なる部分がございました。今回のプライズに貢献するような形で、ご一緒させてくださいとお願いするキッカケがございました」と同アワードのパートナー企業になった経緯を示した。

そして、同アワードに関心をもつ作家、表現者に向けて「どうか、自分の違いを愛して欲しい。それが自信になる。その自信というのは可能性だと思う」と強く呼びかける場面があった。

コンペティションに「応募するという行動は、非常に勇気がいると思います。応募していいのか、ためらっている人も非常に多いと思います。そういった人たちに対して呼びかけたいことがあります。私の父からよく言われた言葉で『”愛”さえあれば何でもできる』というものです。その”愛”というのは恋愛のことだけじゃなく、自分を愛することです。そう、自分の違いを愛することが大事だと思っております」

「そうやって自分の違いを愛していけば、それが自信になっていく。その自信というのは可能性の一つです。その可能性は、ある意味チャンスになって、変化を生み出すこともあるでしょう。そんな変化があれば、明るい未来にもつながっていくでしょう。今回、たくさんの異彩が開花するようなコンペになれば、この社会が少しでも変わってくると思いますし、明るい未来が見えてくると思っております」と願うものを口にしていた。

なお、今回の発表会には、盛岡氏の他、ヘラルボニー社の松田文登氏、松田崇弥氏。審査員として迎えられた金沢21世紀美術館チーフ・キュレーターの黒澤浩美氏、東京藝術大学長の日比野克彦氏も同席していた。

▼( 左から)松田文登氏、松田崇弥氏、黒澤浩美氏、盛岡笑奈氏、日比野克彦氏


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国際アートアワード『HERALBONY Art Prize 2024』…日本語版/WEBページ
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