思惑、嫉妬、憎悪、悲哀――たった1人の天下人の寵愛(ちょうあい)を受けるべく、女性たちが熾烈(しれつ)な闘いを繰り広げた大奥。“女の社会の縮図”ともいえる豪華絢爛(けんらん)な愛憎渦巻く世界を描いたドラマが『大奥』シリーズです。1月18日からスタートする、令和版『大奥』に出演する小芝風花さんにドラマの見どころを聞きました。

小芝風花さん「新しい『大奥』をつくれたらいい」

ドラマ『大奥』は2003年にフジテレビで初めて放送されてから約21年、シリーズの完結作として放送された『大奥 最終章』以来、約5年ぶり。

小芝風花さんは、主人公の五十宮倫子(いそのみやともこ)を演じます。倫子は第10代将軍となる徳川家治(いえはる)(亀梨和也)と愛のない政略結婚を強いられる女性です。

「『大奥』という大きなネームバリューがある作品に携われることは、率直にうれしかったです。その半面、これまでに名だたる方々が演じてきた作品なので、とてもプレッシャーを感じています。本作のために集まったスタッフさんと共演者の皆さんで力を合わせ、このチームだからこそできる新しい『大奥』をつくれたらいいなと思っています」

テーマは“愛”。「ドロドロだけじゃない世界が伝わるといい」

倫子は東山天皇の孫で皇室の血を引く公家の娘。京で育ち、純真で優しい性格な一方で、芯は強く、利発な女性です。朝廷と幕府の橋渡しとして、次期将軍の家治と政略結婚を強いられ、京から江戸城へ。そして、第9代将軍・徳川家重(いえしげ)が謎の死を遂げたことで、家治が第10代将軍となり、倫子は将軍正室として男子禁制の大奥へ渡ることになります。ところが、倫子には京にいた頃から思いを寄せている男性・久我信道(こがのぶみち)がいて…。さらに、大奥総取締役の松島の局(栗山千明)をはじめとする女中たちから、度重なる嫌がらせなどの洗礼を受けることに。

「大奥には足の引っぱり合いや、ねたみやそねみなどドロドロしたものがあるんですけど、倫子はそういうものにそまらない、ブレない意志をもっている強い女性。その真っすぐさが大奥の女性たちにとっては腹立たしく、ターゲットになってしまいます。でも、物語が進むにつれて、倫子に意地悪する人たちの背負っている過去や、秘めた心情などが明らかになり、大奥で生きていくためには、こうするしかなかったという背景がわかります。本作はただドロドロしているだけではなくて、“愛”がテーマなので、それが伝わるといいなと思います」

ロケ地や衣装のクオリティーの高さも魅力

撮影はオール京都ロケを敢行。豪華で荘厳な衣装やセットが生み出す、クオリティーの高い世界観と圧倒的なスケールも見どころです。

「公家のお姫さまなので、着物の柄もこだわっていて、きらびやかです。かつらも飾りをたくさんつけるので、頭はすごく重いし、打ちかけは分厚くて筋肉痛との闘いです(笑)。でも、京都で撮影するからには本格的なものを目指してがんばるので、ご期待ください」

『大奥』史上、もっとも切なくて美しいラブストーリーが誕生します。