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神奈川県葉山町に住む、グレーヘアが素敵な76歳の坂井より子さん。主婦歴50年の主婦で、40代後半から15年ほど、自宅で料理教室を主宰していました。現在は、息子家族と娘家族と同居し、3世帯9人暮らし。ここでは、坂井さんの小さな暮らしのコツをまとめた『別冊天然生活 坂井より子さんの“いい”かげんの暮らし』(扶桑社刊)の中から、ものを大切に使う、暮らしの整理術をご紹介します。

【写真】美しく整頓された食品棚

記事の初出は2023年1月。内容は執筆時の状況です。

76歳、坂井より子さんの捨てない整理と暮らしの整理術

坂井さん夫妻が1階で暮らす家には、2階に娘さん家族、3階に息子さん家族の、3世帯が住んでいます。台所はそれぞれにありますが、お孫さんは学校帰りに寄りますし、食事も3世帯9人そろっていただくことも多いのだとか。さぞかし散らかりそうなものですが、リビングも台所も、すっきりしています。

「片づけは、まとまった時間を取ろうとすると大変でしょう。だから私は、『ついでにすませる』『そのつどしまう』を習慣にしています。わが家では、調味料ひとつとっても、すべてのものに指定席があるので、使ったあとは、ぱっと片づくんですよ」とより子さん。

●生活が楽になる習慣づくりで、ストレス知らずの毎日に

自分に向いている方法を見つけたら、繰り返して行い、習慣にするのがいい、とより子さん。

「毎日、同じことを繰り返していれば体が覚えてくれますから、頭で考えなくても、さっと動けるようになります。たとえば、料理をしていて、使うそばから道具を洗ってしまえるのは、ものの指定席を体が覚えているからなんですよ」

また、本当に気に入ったものを長く使い続けるというのも、より子さんが大切にしていること。

「本当に好きなものは、使ったあとも適当なところに置いたり出しっぱなしにしたりせず、きちんとしまいます。家もすっきり片づきますし、居心地よく過ごせますよ」

リビングのテーブルも水屋箪笥も、そこにしまわれた食器も、何十年もていねいに扱ってきた大事なものたちです。大切に使って、しまって、を繰り返してきたからこそ、収まるべき場所に、きちんと収まっているのでしょう。

 

台所道具と調味料はわかりやすく並べて

台所仕事は毎日のことだから、すべてのものの置き場所を決めて整頓。家族もわかるように並べれば、お手伝いもしやすいです。

●同じ仲間は、箱にまとめたり、容器を統一したり、わかりやすく

乾物類はマスタードの、粉や砂糖はコーヒーのあきビンに。体が調味料の位置を覚えているため、ラベルがなくても取り違えることはないそう。

●引き出しは、あけたときにひと目でわかるように

豆腐のパックや、お菓子のあき箱を使って、小さいものを仕切って収納。「ぴたっと収納できると、とても気持ちがよく、家事もはかどります」

ワードローブは楽しく整理整頓

衣類はクローゼットひとつと決めつけず、出し入れしやすいように。香り袋を添えたり、あき箱を利用したり、楽しい整理整頓を。

●とらやのあき箱をアクセサリー入れに

アクセサリー入れには、綿を敷いて。「丈夫なつくりのお菓子の箱をなにかに使えないかな、って。ぴったり収まったので、気持ちがよかったです」

●出かける前に羽織るストール類は玄関に

ストールやスカーフなどの巻きものは、色別にまとめたあとに、立てて収納。ラベンダーなどのハーブを入れた手づくりの香り袋と一緒に。

食器とカトラリーはもつ量を決めて

器が好きで、結婚当初から少しずつ買い集めてきたというより子さん。いまは、水屋箪笥にしまえるだけ、と量を決めて。

●リビングに置いた水屋箪笥が食器入れに

引っ越し前は、積み重ねて使っていた水屋箪笥を横に並べて。坂井家の食器は陶器がメイン。煮ものを盛るもの、汁もの、鍋など、用途別に器を収納。

●大好きな器の購入は、しっかり吟味

知人の窯元で購入したお皿。おひたしの盛りつけに活躍。「もっと大きなものもありましたが、重たいものはこれからもてなくなるかしら、と」