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さまざまなものの値段があがり、物価高が叫ばれるなか、熊本県内のタクシー運賃も値上がりするのでしょうか。

【写真を見る】変わるタクシー業界「タクシー運賃」も値上がりか?業界の厳しい事情 「ライドシェア」の実現は?

熊本市のタクシー事業者が運賃の改定を求めました。

9月1日付けで九州運輸局に運賃の改定を要請したのは、熊本市東区に本社を置く双葉(ふたば)タクシーです。

双葉タクシーは、現在630円の初乗り運賃を100円値上げし730円に。

また301メートル走るごとに80円加わる今の料金体系を「306メートルごとに100円」と改定するよう求めました。

運賃値上げ要請の背景には何があるのでしょうか?

タクシー運転手「最近燃料の値段が上がったというのが気になる」

熊本県タクシー事業協同組合によりますとタクシー燃料の主流であるLPガスは高値で水位しているといいます。

問題は他にも。
こちらのタクシー会社も9月4日(月)、運賃の値上げを九州運輸局に要請しました。

TaKuRoo 小山剛司社長「人件費の部分ですね。労働条件の改善。最低賃金もどんどん上がっていますし、物価高騰で生活できないという部分があるので、賃金を上げるためにも運賃改定をしたい」

物価上昇に対応するためにも運賃改定は欠かせないといいます。

この動きについて利用者は・・・

タクシー利用者「困る。遠いところは乗らないかも」

タクシー利用者「色々物価が上がっているから。タクシーだけでなく。しょうがないかな」

一方で値上げ以上に困っているという声も・・・

タクシー利用者「運転する方がいないということで最近タクシーがいないんですよ」

タクシー利用者「(以前)予約する時は前日だったけど、(今は)4・5日前に予約する」

実際、熊本県内のタクシー運転手の登録者数は、2018年度は4900人いましたが、昨年度は4200人と700人ほど減少しています。

こちらの会社でも300台ほど保有していますが、半分近くが稼動できていません。そこで・・

小山社長「それを解消するためにも『相乗り』といいますか、そういったところを我々業界が充実させていかなければいけない」

運転手不足の対策として公道を走れるゴルフカートを使った「相乗り」の実証実験をしています。

しかし、これまで事実上の白タクと日本での解禁が見送られてきた自動車に相乗りする「ライドシェア」については慎重な意見です。

小山 社長「(タクシーは)プロのライセンスを持っている人間が運転しているので、お客様の命をきちっと預かってやれるのか。というのがライドシェアについては思う」

タクシー業界をとりまく課題の打開策の1つとして要請された今回の運賃の改定要請。公共交通をとりまく環境は大きく変わり始めています。

では、タクシーの運賃は上がるのか。

それには条件があります。
熊本県内には現在、2760台のタクシーがありますが、今後、3か月以内に値上げを要請する事業者の保有台数が、この2760台の7割を超えた場合、およそ1900台になると九州運輸局が国の通達に従って、運賃改定を判断するための手続きに入ることになります。

はたしてタクシー運賃はどうなるのか。
利用者としては「値上げ」は厳しいけれど、タクシーの維持や運転手確保もしなければ、そもそも「タクシー」自体の存続も危惧されます。

今後のタクシー業界の動向に注目です。