by Tony Webster

新型コロナウイルスの流行によって、会社に出社せずに自宅で仕事や会議を行う在宅ワークが一般的な働き方となりました。しかし、「リモートワークは生産性が落ちる」と指摘され、GoogleやZoom、Amazonはリモートワークを順次廃止しています。Amazonのアンディ・ジャシーCEOが、リモートワークの継続を訴える従業員に対して「週3日の出社を拒否し続けるのであれば、おそらくAmazonではうまくいかないでしょう」と発言したことが報じられました。

Amazon CEO reportedly told remote employees: ‘It’s probably not going to work out’ - The Verge

https://www.theverge.com/2023/8/28/23849754/amazon-ceo-andy-jassy-remote-employees-return-to-office



Amazonは2023年2月に「オフィス復帰計画」を更新し、2023年5月から最低週3日の出社を義務付ける方針に切り替えました。また、シアトルの本社やニューヨーク、サンフランシスコのオフィスなどに出社できるように転居を求めていることも明らかになっています。

Amazonがオフィス復帰のため従業員の一部に転居要請へ - GIGAZINE



さらにAmazonは、リモートワークの廃止を徐々に進めており、週3日出社せよという命令に従わない従業員、あるいはオフィスの近くに引っ越さない従業員には「自主退職」を強制するという方針を制定しました。また、週3日以上出社していない従業員に対しては、Amazon側から「オフィス復帰ポリシーを順守していない」と非難するメールが送信されたとのこと。この週3日の出社の義務付けには多くの従業員から反対があり、数千人の労働者がこの命令に反対する請願書に署名し、ストライキを行っています。

ニュースメディアのInsiderが入手した音声記録によると、2023年8月上旬に行われたAmazonの内部談話会で、ジャシーCEOは従業員からオフィス復帰の義務付けを裏付けるデータを共有するように求められたものの、「リモートワークを取りやめて出社を義務付けることはデータによる裏付けではなく私の『判断』によるものです」と答えたとのこと。

また、ジャシーCEOは従業員に対して「同意できずにコミットする時期は過ぎました。私も理解してはいますが、同意できずにコミットできないというのであれば、Amazonではおそらくうまくいかないでしょう。なぜなら私たちは少なくとも週に3日は出社しなければならないのですから」と述べました。



by Lisi Mezistrano Wolf/Wikimedia Commons

Amazonの広報担当者であるブラッド・グラッサー氏は「週に少なくとも3日は同僚と一緒に仕事をするようになってから、より多くのエネルギーやコラボレーション、つながりが生まれました。私たちはより多くのチームを同じ場所にまとめる最善の方法を引き続き検討しており、従業員に影響を与える決定を下す場合は従業員と直接コミュニケーションを取っていきます」と語りました。