Stable Diffusionなどの画像生成AIは自身の所有するマシンにインストールしてローカルで実行することが可能です。しかし、快適な画像生成に必要な「大容量のVRAMを備えたグラフィックボード」はPCパーツの中でも高価な部類に入るため、予算の都合から画像生成を諦めている人も多いはず。新たに、安価なAPUでも実用的な速度で画像を生成できたという検証結果がAI関連YouTubeチャンネル「Tech-Practice」によって報告されています。

Democratize AI: turn a $95 chip into a 16GB VRAM GPU! Beats most of the discrete GPUs! | by Ttiotech | Aug, 2023 | Medium

https://medium.com/@ttio2tech_28094/51a8636a4719

Democratize AI: turn a $95 chip into a 16GB VRAM GPU! Beats most of the discrete GPUs.Demo of AI app - YouTube

Stable Diffusionによる画像生成を試みる際に重要なのが、グラフィックボードのVRAM容量です。VRAM容量が多いグラフィックボードを使えば高解像度の画像を生成可能となる他、VRAM容量の少ないグラフィックボードではモデルデータをロードできずに画像生成を実行できない状況に陥る場合もあります。

VRAM容量はハイエンドのグラフィックボードほど多い傾向にあり、ハイエンドなグラフィックボードは価格も高額です。例えば、VRAMを16GB搭載した「GeForce RTX 4060 Ti」をAmazon.co.jpで検索すると、安価なモデルでも約8万円で販売されていることがわかります。



グラフィックボードでは基板上に配置したメモリチップをVRAMとして用いるため、標準的な手段ではVRAMの増設はできません。一方で、CPUとGPUを同一チップ内にまとめたAPUでは、マザーボードに取り付けたメインメモリをVRAMとして使用するため、状況に応じてVRAMの容量を変化させることが可能で、メインメモリの容量が十分にある場合はAPUに16GBのVRAMを割り当てることも可能です。そこで、Tech-PracticeはAMDのAPU「Ryzen 5 4600G」に16GBのVRAMを割り当ててStable Diffusionによる画像生成の快適性を検証しました。



Ryzen 5 4600Gを用いてStable Diffusionで「解像度512×512ピクセル」「ステップ数50」という設定で画像を生成した結果、画像1枚当たり約1分50秒で生成に成功したとのこと。



記事作成時点では、Ryzen 5 4600GはAmazon.co.jpで税込2万787円で販売されています。グラフィックボードを用いる場合は高価なGPUに加えてCPUも購入する必要がありますが、APUの場合はAPUだけを購入すれば良いため、マシンを構築するための費用が格段に抑えられます。

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なお、記事作成時点では、Ryzen 5 4600GよりもCPU性能が高い「Ryzen 5 5600G」がAmazon.co.jpで税込1万7980円で販売されているため、Ryzen 5 5600Gを選択するのもアリです。

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