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 確かに移籍金額でみれば前任者アンドレ・オナナは5000万ユーロでマンチェスター・ユナイテッドに移籍、そしてその後継として加入したヤン・ゾマーは、バイエルンから移籍金600万ユーロで迎え入れられたが、しかしながらその穴埋めにおける期待値の大きさには、そのような金額の差などファンには影響しない。その点で水曜夕方に土砂降りの雨の中で行われた、インテル・ミラノでの初披露目の場は、34歳のスイス代表GKにとっては最悪の幕開けとして記憶されることだろう。

 RBザルツブルクとのテストマッチで出場したわずか5分後には、ペナルティーエリア内でRBのアタッカー、カリム・コナテを明らか倒してPKを献上。これが枠の上に外れたことは、ただの幸運以外なにものでもなかった。しかもそのわずか1分後には今度は、ゾマーはペナルティーエリア手前でボールをクリアするのに躊躇をみせてなかなか飛び出しきれず、その後は少し安定感もみせていたとはいえ、この日のインテルの選手のなかでワーストプレーヤーとなってしまったのは明らかだ。

 伊紙ガゼッタ・デロ・スポルト紙は、「基本的にクラブ首脳陣陣が長い間追いかけてきた、それだけの選手から期待されるような安心感はみられなかった」と評価。ただ別の言い方をするならば、そのような試合を露呈する場としては、今回のようなテストマッチは最適な場所だったともいえるかもしれない。まだ契約からわずか2日、そしてチームも4−3で勝利をおさめたこともあって、「基本的にまずデビューできてよかった」とゾマー。「まだまだ、ここからだよ!」と意気込みをみせた。