人気ダンス&ボーカルグループ「FANTASTICS」のメンバーであり、ドラマ『美しい彼』の演技などで俳優としても注目されている八木勇征さん。

大人のワインバーで、人生初だというペアリングを堪能してもらいながら、“美しき男”の素顔に迫った!


「ワインもエンタメも、あふれる情熱が人を感動させると思う」

赤ワインをゆっくりと味わう八木さん。「今の自分と、20年後の自分が同じことを言ったとしても、重みと説得力が違うと思うんです。これから経験をしっかりと積んで、今日の体験がちゃんとサマになる大人の男になりたいですね」


そっと目を閉じ、グラスを傾けるその横顔はゾクッとするほど美しく、どこか妖しさすら漂う。

視線を逸らそうにもできない、蠱惑的なオーラは、劇場版も大ヒットを記録した『美しい彼』で演じた清居 奏そのままだ。

八木さんとワインという、完璧な“ペアリング”にスタッフも酔いしれたシューティングの後、インタビューは始まった。

「僕は今日、人生で初めて、自分の舌の上で化学変化が起こることを実感しました。先輩のSHOKICHI(「EXILE」のメンバー)さんから教えてもらった、マリアージュという言葉の意味が分かったというか。

ワイン、やばいですね。“ハマったら沼”、と言われるのも納得です」

説明をひと言も聞き漏らすまいと、真剣な表情でワインと向き合っていた八木さん。初体験となったペアリングは、好奇心の新たな扉を開けたようだ。

「正直、これまでワインは赤、白、スパークリングなどの種類と、フランスがすごいんだよな、っていうくらいしか知識がなくて……。外食する時もセレクトは先輩やソムリエの方にお任せしっぱなしでした。

でも、知って飲むのとそうでないのでは、こんなにも印象が異なるんだな、と。もっと知りたいけど、一度ハマったら抜け出せなさそうな世界に、少しビビっている自分もいます(笑)」

撮影中、印象的だったのはプロフェッショナルへの尊敬の眼差し。

「漆谷さん(ソムリエ)がこれだけの熱量を持って語ってくれるということは、それだけ素敵な世界なんだろうなって伝わってくる。

実際にペアリングを体験して、新しい味わいにワクワクしましたし、感動もしました。僕の語彙力でしっかり伝えられたかは自信がないですけど(笑)。

やっぱり情熱のある人、極めている人だからこそ、人をもてなすことができるし、感動も与えられる。すごく刺激になりました」


「みんなの生きる活力になれるんだったら、こんな幸せなことないよなって」

赤身肉とともにワインを口に含むと、驚きの表情を浮かべた八木さん。「ワインだけで飲んだ時の渋みが消えて、すべてが調和してお肉の旨みが引き立つというか。全然印象が違う!」と絶賛した


そう話す八木さんだが、彼とて人を感動させる側だ。

全国で開催中のライブツアーでは、歌とダンスでステージ上を縦横無尽に躍動し、6月22日(木)スタートの地上波冠番組『FUN ! FUN!FANTASTICS SEASON3』ではコミカルな一面を見せる。

また、ここ数年は俳優としてもメキメキと頭角を現し、4月クールのドラマ『ホスト相続しちゃいました』でのオラオラ系ナンバー1ホスト役も大いに話題となった。

当然、超多忙な毎日を送るが、自身を成長させるためのインプットは怠らない。

「タイトなスケジュールでも、新しい現場に行けば、新しい出合いがあって、必ず何かしら得られるものがある。今日の撮影だってそうですよね。今まで知らなかったワインのことを、たくさん知ることができました。

最近は、結局時間をどう使うかは自分次第なんだって、そう思えるようになりました」

頑張れるモチベーションは、応援してくれるファンの存在だという。

「先日発売した写真集のイベントで、再認識したんです。その日のためにお洒落や、なんならダイエットまでして。

すべてのベクトルを僕に合わせて過ごしてくれている人たちがいる。みんなの生きる活力に僕がなれるんだったら、こんな幸せなことないよなって」


「歌も芝居もとことん。“全部強化、全部最強”目指すのはそこです」


八木さんの野望は、オンリーワンの存在になること。

「尊敬しているアーティストや俳優はたくさんいます。でも、憧れているっていう表現はしっくりこなくて。

すごく生意気に聞こえてしまうかもしれませんが、憧れてしまったらそこには追いつけないじゃないですか。一人ひとり培ってきた経験も違うだろうし、感性も違う。元々別物ですから、なれるわけがない。

だから、憧れることは一切しないです。自分は自分。オンリーワンなんだ、そう自信を持ってやっています」

その言葉に、海の向こうで活躍するメジャーリーガーのWBCでの名言がオーバーラップする。

ただ純粋に、目の前のことに夢中になって取り組む。八木さんにとっても、それがすべてのようだ。

「去年、初挑戦した舞台で初めて、自分でいることを忘れる瞬間があって。それくらい作品にのめり込めたことは自分の中で大きかった。

今、いろいろな活動をさせてもらっていますけど、どれって決めることはしたくない。“全部強化、全部最強”。目指すのはそこですね」

アーティストと俳優の“二刀流”。そんなカテゴリーには収まらない存在へ。

26歳になったばかりの八木さんが見据える未来は、無限の可能性に満ちている。


■プロフィール
八木勇征 1997年生まれ、東京都出身。2017年の「VOCAL BATTLE AUDITION5」に合格し、芸能界入り。所属する「FANTASTICS」ではボーカルを務める。映画『劇場版 美しい彼 〜eternal〜』をはじめ、俳優としても多数の話題作に出演。5月には自身初の写真集『CONTACT』(ワニブックス)を発売した。

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東京カレンダー最新号では、八木勇征さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、「落ち込んでも引きずらない」という八木さんの強さの理由とは?

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