3年暮らしたオール電化住宅、電気代がついに赤字に転落。今後どうする?
電気料金の値上げが深刻な事態に。これから家づくりをするという人は、光熱費への対応が重要になってきます。3年前にオール電化住宅を建てた日刊住まいライターは、太陽光パネル(8.1 kW)、蓄電池(8 kWh)を採用。これで光熱費の収支はプラスになるはずでした。ところが、この1年で赤字に転落。その推移を詳細にレポートします。合わせて、今後の対策も。
光熱費がかからないよう太陽光パネルと蓄電池を採用
わが家は夫婦と子ども2人(4歳と1歳)の4人家族。3年前に総2階のオール電化住宅を建てました。延床面積32.4坪です。
3年前に家づくりをしたとき、とくにこだわったのが、「住んでから極力お金がかからない家」にすること。光熱費の年間収支がプラスになるよう、創エネ・蓄エネ設備を採用することを念頭に進めました。
実際に採用した設備は、太陽光パネル(8.1kW)、蓄電池(8kWh)。太陽光パネルは屋根一体型。屋根のひさしを伸ばして太陽光パネルを、最大限載せられるようにしました。
3年前の価格になりますが、太陽光パネル(8.1KW)は283万円、蓄電池(8kWh)は130万円でした。ちなみに全館空調システム(部屋や廊下など家じゅうを冷暖房し、24時間換気を行うシステム)も採用しています。
家の間取りに合わせて、電気代を節約する暮らし
わが家は、1階にLDKと水回り、2階に主寝室、子ども部屋、書斎がある間取りです。
現在は子どもが小さいため、日中は1階のリビング中心の生活。2階は寝るときのみ使用している状況です。そのような理由から、全館空調システムも日中は1階のみで、2階は夜のみ稼働させています(自己責任でこの使い方をしています。本来は24時間稼働すべきものです)。
なお、1階のLDKには床暖房も採用しましたが、電気代を考慮して、今のところ寒い冬の時期も使っていせん。代わりにリビングの床に、ホットカーペットを敷いています。
黒字だった電気代がこの1年で赤字に転落!
2021年5月から2023年4月までの2年間の電気代は以下のとおり。毎月の買電金額と売電金額です。
1年ずつ電気代の合計をみると以下のとおりです。
●2021年5月〜2022年4月
買電金額:14万2279円 売電金額:16万5356円 収支:2万3077円の黒字
●2022年5月〜2023年4月
買電金額:19万5800円 売電金額:16万4544円 収支:3万1256円の赤字
2年前の電気代は年間でプラスになっていましたが、この1年ではマイナスになっています。年間の売電金額はほとんど変わっていませんが、買電金額が年間で約5万円も増えており、電気代の高騰が明白です。
とくに、電気代が高騰したなと実感し始めたのは2022年2月〜3月頃。ちょうどウクライナ問題が起こった頃と重なります。
家づくりの時点では、ハウスメーカーの担当者から、太陽光パネル(8.1KW)、蓄電池(8kWh)を搭載すれば、年間の電気代が実質ゼロ円、さらにプラスにさえなりうると案内され、実際その通りになっていました。
ただ、昨今の電気代高騰の状況では、上記の容量の太陽光パネルと蓄電池では、年間の電気代をカバーできない状況に。
節電のために意識していること
2022年3月頃から節電の意識を高めて取り組んでいます。
写真は、人感センサー機能をオフにした階段。日暮れまでは、窓から漏れる明かりで十分です。人感センサーライトは、不要なときでも電気がついてしまことがあります。そのため、ほかの場所の人感センサーライトも、センサー機能はオフにしました。
それ以外は、特別なことはしていません。こまめに電気を消す、冷房をなるべく使わずに窓をあけて空気を通す、扇風機で十分なときは扇風機を優先して使う、などです。
これらの対策を実施したにもかかわらず、電気代は赤字になってしまいました。
今後は電気自動車を蓄電池として利用することも視野に
赤字になってしまった原因は、電気代高騰で、売電価格を大幅に超える金額で、たりない電気を買っていることです。
ですから、以下のことをすれば、今の年間の電気代を改善できるはずです。
・太陽光パネルの容量を増やす
・蓄電池の容量を増やす
わが家の依頼先のハウスメーカーには、12kWhの蓄電池もラインナップされており、この容量であれば年間の電気代を実質ゼロ円にできる可能性はあります。
ただし、高額であることと、使っている蓄電池に支障がないなかで、わざわざ大容量の蓄電池に変更するのは、あまりよい選択ではないでしょう。
そこで、自家用車を買い替えるタイミングで、電気自動車に変更することも検討しようと思っています。
自動車メーカーのホームページを見ると、電気自動車のバッテリーの容量は大きく、一般的な蓄電池よりコスパがよいというデータも公開されています。太陽光でつくった電気を電気自動車にためて、現在売電している電気も家で使用できれば、収支ゼロに近づけることはできるはずです。