シミ取りレーザーの治療後、なぜかさぶたができる?

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シミ取りレーザーの治療後は、シミの部分にかさぶたができるのが一般的です。かさぶたは時間が経つと自然に剥がれ落ちますが、なかには取れるタイミングが早すぎることがあります。そんなときどうしたら良いのでしょうか? みきなクリニックの東海先生に話を聞きました。

シミ取りレーザーの治療後、なぜかさぶたができる?

編集部

シミ取りレーザーとは、どんな治療ですか?

東海先生

そもそもシミとは、皮膚のなかで作られるメラニンという色素が沈着したもののことを言います。紫外線を浴びると表皮の基底層にあるメラノサイトはメラニンという色素を生成し、紫外線から細胞核を守ろうとします。このメラニンが沈着したものがシミです。レーザー治療では、このメラニン色素を破壊します。

編集部

どのようにして破壊するのですか?

東海先生

レーザー治療ではごく短時間、レーザーをシミに照射することでシミを破壊します。ただし、シミには老人性色素班やそばかす、雀卵斑(ソバカス)、肝斑などさまざまな種類があり、シミの種類によってはレーザー治療を行うとかえって悪化するものもあるので、ここではシミのなかでも代表的な「老人性色素斑」に絞って話を進めます。

編集部

なぜ、レーザーを照射するとシミが破壊されるのですか?

東海先生

もともとメラニンは、光を吸収しやすいという特徴があります。レーザーには波長の違いによってさまざまな種類がありますが、メラニンと最も相性が良いレーザーをシミに照射すると、レーザーはシミに吸収され、メラニンの部分だけが熱破壊されて、シミが取れるという仕組みです。

編集部

レーザー治療の後、かさぶたができると聞きました。これはなぜですか?

東海先生

レーザーを照射すると、シミの部分は軽いやけどのような状態になります。そのため、照射をするとかさぶたができるのです。これは、レーザーで破壊された色素が排出されたものです。しっかり治療の効果が表れている証拠です。

かさぶたができたら、どうしたらいい? かさぶたができてから剥がれるまでの経緯

編集部

かさぶたはいつ頃できるのですか?

東海先生

レーザーを照射したあと、レーザーに反応したシミは一旦、以前よりも黒くなります。その後、数日経つとかさぶたになります。

編集部

かさぶたになったあとはどのような経過を辿るのですか?

東海先生

通常の場合かさぶたは、できてから1~2週間経つと自然に剥がれてきます。かさぶたが剥がれたあとには、きれいなピンク色の新しい肌が育っています。とてもデリケートな状態なので、こすったり、紫外線を浴びたりしないように気をつけましょう。

編集部

かさぶたの期間、注意することはありますか?

東海先生

レーザー治療を行ったあと、クリニックで患部にテープを貼ってくれると思います(なかにはテープを貼らず、ワセリンを塗るクリニックもある)。テープを貼った場合は無理に剥がさず、指示された期間はそのままの状態を維持するようにしましょう。テープを剥がすタイミングで、自然とかさぶたも取れます。

編集部

テープの上から化粧をしたり、洗顔をしたりしても良いのですか?

東海先生

基本的に問題ありませんが、化粧や洗顔の刺激でテープが剥がれないように気をつけましょう。

編集部

そのほか、かさぶたの期間に注意することはありますか?

東海先生

新しいピンク色の肌はとてもデリケートなので、紫外線対策を入念に行いましょう。レーザー治療のあと、クリニックでテープを貼ってもらった場合は、その上から日焼け止めを塗りましょう。一方、テープを貼らずにワセリンを塗った場合には、皮膚に直接日焼け止めを塗って構いません。ただしその場合には、クレンジングは必要ありません。クレンジングによる刺激で皮膚がダメージを受けることもあるため、やさしく洗顔する程度で大丈夫です。

かさぶたが早く取れてしまったときの対処法は?

編集部

かさぶたが早く取れてしまった場合には、どうしたら良いのでしょうか?

東海先生

状況にもよりますが、もしかさぶたが早く取れてしまった場合には、保護用テープを貼り直すようにしましょう。テープを貼ることによって患部を乾燥させず、湿潤状態を保つことができ、かさぶたの代わりに皮膚を守ることができます。

編集部

かさぶたにならないこともあるのですか?

東海先生

レーザーの種類や照射方法、出力の強さ、シミの種類などによっては、かさぶたができないこともあります。しかしながら、かさぶたができなくてもメラニンは破壊されているので効果を期待することができます。

編集部

ほかに、シミ取りレーザー治療後に注意することはありますか?

東海先生

かさぶたが取れてシミが消えたあと、しばらくすると患部に再びシミのようなものが出ることがあります。これは炎症後色素沈着と呼ばれるもので、一般には「戻りジミ」と呼ばれています。多くの場合、3~6か月経過すると自然と消えていきますが、外用薬や飲み薬を処方された場合は治療効果を高めるために、医師の指示に従って使用を継続するようにしましょう。

編集部

最後に、MedicalDOC読者へのメッセージがあれば。

東海先生

シミがないだけで5歳若く見えるといわれることもあります。日焼け止めを塗るだけでなく、UV対策のサプリメントの内服や日傘、サングラスなどを併用してシミをしっかり予防してください。

編集部まとめ

シミ取りレーザー治療は非常に効果が高く、即効性もありますが、その一方で治療後には紫外線対策や保湿など、気をつけるべきポイントもあります。せっかくの治療効果を損なわないためにも、医師の指示をしっかり守り、きれいな肌をキープしましょう。

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