観光客で賑わう海に姿を見せたアリゲーター。波に揺られながら浜辺の方を見つめていたが、人のいる浜辺には上陸せず、沖合の方へ泳ぎ去っていった(画像は『Matt Harvill 2023年5月7日付Facebook「The things you never think you’ll see.」』のスクリーンショット)

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海の危険生物と言えば一般的にサメが思い浮かぶが、このほど米アラバマ州の海で淡水エリアに生息するはずのアリゲーターが目撃され、話題を呼んでいる。撮影された動画には、ゆらゆらと波に揺られるアリゲーターの姿が映っており、「アリゲーターって海にもいるの!?」など驚愕する声が相次いだ。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

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驚きの光景を撮影したのは、米アラバマ州モービル郡ドーフィン島を訪れていたマット・ハーヴィルさん(Matt Harvill、27)だ。「彼女と一緒にビーチで過ごしていた時、誰かが“アリゲーターがいる”と話しているのを耳にしたんです。アリゲーターが海にいるなんて、そうあることではありませんよ」とマットさんは当時を振り返る。

本当にアリゲーターがいるのか、半信半疑だったマットさんは自分の目で確かめるために波打ち際を歩いて探してみることにした。そして200ヤード(約183メートル)ほど歩いたマットさん達は、海面から顔を出すアリゲーターの姿を目撃したのだ。

マットさんが撮影した映像には、打ち寄せる波に揺られながら、浜辺をじっと見つめるアリゲーターの姿が映っている。アリゲーターの体長は4〜5フィート(約1.2〜1.5メートル)とみられ、動画の後半では波に流されて浜辺の近くまでやってきたが、アリゲーターは沖へ方向を変えて泳いでいったため危険な様子はなかった。

モービル郡出身のマットさんは「アリゲーターが威嚇しているような様子はありませんでした。いつもとは異なる風景を楽しんでいるように見えました」と明かしており、身の危険は特に感じなかったという。ドーフィン島には鳥類保護区があるそうで、「アリゲーターは森の中を散歩していて、ビーチまで辿り着いたのかもしれませんね」とマットさんは話している。

スミソニアン国立動物園によると、今回目撃されたのはアメリカアリゲーターであり、基本的にはノースカロライナ州からテキサス州のリオグランデ川までの沼地や湿地帯、流れの緩やかな川など淡水域に生息しているという。アリゲーターとよく似ているアメリカクロコダイルはフロリダ州南部の海水域に生息しているが、アリゲーターは体内の過剰な塩分を排出する器官「塩類腺」を持っていないため、長時間を海の中で過ごすことはできない。しかしドーフィン島内陸部にはよくアリゲーターが出没すると言われ、お腹を空かせるとカニやウミガメ、サメなどのエサを求めて海に出てくることもあるという。

ドーフィン島海洋研究所は、アラバマ州のニュースメディア『AL.com』に対して「ビーチにアリゲーターが現れたのなら、淡水の池から迷い込んできたか、雨が降って塩分濃度が低くなった時にやって来たのかもしれません」と今回のアリゲーターの出現について推測している。

マットさんが撮影した動画や写真はネット上で瞬く間に拡散され、「これは怖い! アリゲーターが海にいるなんて知らなかったよ」「結構大きくない?」「アリゲーターは数日くらいなら海にいられるって聞いたことがあるな」「バケーションに来て楽しんでいるんだね」「エサを探しているように見えるよ」など様々な声が寄せられた。

ちなみに2019年には、湖で泳ぐナマケモノが目撃され、泳ぎが得意な生き物であるという事実に多くの人々が驚いていた。

画像は『Matt Harvill 2023年5月7日付Facebook「The things you never think you’ll see.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)