「そこのロシア軍機!」ドイツ空軍のスクランブル発進が急増 バルト海で不審な飛行くり返すロシア軍
そもそもなぜドイツがバルト海に?
ウクライナ侵攻からバルト海でも動きが活発に
ドイツ空軍は2023年4月26日、バルト海でロシア軍機が飛行しているのを発見。これを監視するため、ユーロファイター「タイフーン」をスクランブル発進させたと発表しました。
エストニアのアマリ空軍基地で防空任務につくユーロファイター「タイフーン」(画像:ドイツ空軍)。
イギリス空軍の「タイフーン」とも共同し、接近しての監視及び警告をした結果、飛んでいた不審機はロシア空軍のSu-27、2機とIL-20M電子情報偵察機だと判明しました。
ロシアは飛び地でバルト海に面する領土であるカリーニングラードを持っていますが、2022年2月のウクライナ侵攻後は、同海域で領空侵犯を含む不審な飛行を度々しているそうです。ドイツ国内の報道によると昨年のスクランブル発進は570回で、例年の倍にものぼるとのこと。
そもそも、ドイツ軍がなぜリトアニア、ラトビア、エストニアの3国が面すバルト海で空の監視に当たっているか。これは、3国が北大西洋条約機構(NATO)に加盟した2004年3月にまでさかのぼります。
この3国は、航空戦力が乏しかったので、他のNATO加盟諸国が持ち回りでバルト3国の領空警備に代行し、ロシア軍やベラルーシ軍の監視に当たっています。一定の期間で担当国が変わるようでドイツの担当は2023年4月末まで、以降はイギリス空軍が担当するようです。
そのため、同空域では、様々な戦闘機が飛んでいるようです。例えば、フランス空軍が当番の際はラファールやミラージュ2000C、 カナダ空軍の場合は、CF-18「ホーネット」、ハンガリー空軍の場合はサーブ39「グリペン」といった形です。2021年4〜9月頃までは、イタリア空軍がアメリカ製の最新鋭機F-35Aを同領空警備で初めて使って任務に当たったこともあるそうです。
※タイトルの誤字を修正しました(4月28日11時00分)。