dianaのAkiさん(左)とshizukuさん【写真:町田利衣】

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本拠地開幕2カードは4勝1敗、Akiさん「勝つことしか頭にありません」

 横浜スタジアムに“新名物”誕生の予感が漂っている。今年から4回裏終了後に行われている新イベント「ハマスタバトル」の第1弾は、DeNAベイスターズオフィシャルパフォーマンスチーム「diana(ディアーナ)」の3人がファンとリレー対決を実施。チア衣装で笑顔を浮かべながら、あまりに速いガチすぎる爆走はジワジワと話題に……。昨年世間を席巻した「きつねダンス」に続けとばかりに、一大ムーブメントとなる予感を秘めている。

 スマイル満開で、3人がバトンをつなぎ横浜スタジアムを駆け抜ける。しかしその脚力が凄い。本拠地開幕2カードは5戦4勝1敗。アンカーを務めるAki (あき)さんは「常に全力で、勝つことしか頭にありません。どこでバトンをもらっても絶対に気を緩めず、最後まで全力です」、二走のShizuku (しずく)さんも「絶対に負けられないと思って本気で走っています」と力を込めた。

 対戦相手は当日のチケットを持つファンクラブ会員の希望者から抽選で決まる。当然、運動経験や走力の情報はない。対戦するファンとはスタート前に初めて顔を合わせるため、走ってみないとどんなレースになるか想像もつかない。だからこそ“ガチ度”も増す。

 スタートラインに立つのはdianaの精鋭たちだ。3月上旬にイベント内容が決まってから、メンバー内で“オーディション”を開催。ぶっちぎりでゴールしたAkiさんはアンカーに即決定。メンバー内で2番目に速いShizukuさんとともに毎レース走ることになった。バトン練習にも取り組み、レース後には映像を見て反省、復習にも余念がない。

Shizukuさん「あそこ(グラウンド)に行くと凄く力が出るんです」

 2人とも陸上経験はなく、走ることに関して特別なトレーニングをしたことはないという。しかしAkiさんは「小学校の時から体育祭は毎回リレーの選手でした。徒競走とかで負けた記憶がないです。家族も全員速いです」とニッコリ。Shizukuさんは「学生時代に体育祭でリレーのメンバーになったことはありますが、特に自分が速いと思ったことはなかったです」と言うものの「あそこ(グラウンド)に行くと凄く力が出るんです」と見えない力にも後押しされているようだ。

 驚異の身体能力について、担当者は「(ダンスの)パフォーマンスのために普段から体幹、瞬発力、心肺機能など基礎的なトレーニングをかなりやっているので、そういうところでも鍛えられていると思います。そう考えるとまだ速くなる可能性も秘めていますね」とニヤリ。「dianaはパフォーマンスをしっかり伝えてお客さんを楽しませるというのがベース。アスリートだというところを見てもらえたら」と呼びかけた。

“競争”と“ファンとの一体感”をテーマに「どんな相手でも手抜きなしのガチ」を掲げて誕生したこの企画。まだ始まったばかりでリレー対決がいつまで実施されるかは未定だというが、しばらくは継続することに。担当者も「山崎康晃選手がツイッターで『コレ好き。dianaの脚力よ』とコメントしてくれたり、想定外のいい反響をいただいていて、うれしい誤算。凄いなと思っています。我々の感覚としては、今年の新イベントの中ではお客さんに1番刺さっているのでは」と驚くほどの滑り出しを見せた。

 Akiさんも「ファンの方が『足速いね』と言ってくださったり、名前を呼んでくださったりすることが増えました」と注目度の上昇を実感している。昨年は日本ハムの公式チアリーダー「ファイターズガール」が踊る「きつねダンス」が大ブームを巻き起こした。「試合以外の面でお客さんに何を楽しんでもらうかというところで、我々もブームをつくってやろうという姿勢は常に持っています」と担当者。2023年は走るdianaに注目だ。(町田利衣 / Rie Machida)