ダイソーの新業態「スタンダードプロダクツ」の超人気商品のひとつに、「世界三大刃物産地」である岐阜県関市の職人が手がける包丁があります。切れ味のよさが話題となり、一時は売りきれが続出するほど。1100円という破格の安さで買える有名刃物産地の包丁を、実際に使ってみてレポートします。

スタンダードプロダクツの包丁、3つの気に入った点

スタンダードプロダクツにはキッチンナイフ、ペティナイフ、パン切りナイフの3種類の包丁が売られていますが、今回筆者が購入したのはキッチンナイフよりも小さく小回りが効くペティナイフです。

刃の部分の長さは約12cm、持ち手まで入れると約23.5cmというちょうどよい小ささです。実際に使用してみて、気に入った点を5つにまとめてみました。

(1) すべて職人の手づくり

岐阜県関市は、800年以上の刃物づくりの歴史をもち、「世界三大刃物産地」のひとつに数えられる世界的にも有名なところです。

機械作業ではなく、プレス、焼き入れ、研磨、背研ぎ、刃づけなど、20以上の工程をすべて関市の職人が手作業によりつくり上げている、ぜいたくさの感じられる1本です。

刃の部分はステンレス製で錆びにくいというのもメリットだと思います。

(2) 切れ味がよく、軽い

包丁を世に送り出すときには「切れ味検査」という、何枚紙を切ることができるか調べる工程を経るそうです。通常、30枚切れれば問題ないと言われるレベルなのですが、スタンダードプロダクツの包丁はこの検査で、通常枚数の倍以上の切れ味となる70枚の紙を切っているそうです。

実際に熟したトマトを切ってみたのですが、驚くほどよく切れます。

トマトを潰さずにスルリと切ることができるのはストレスフリーです。鶏肉などの切りにくいものも、力をそれほど入れずに切ることができました。ただ包丁自体が軽く、刃物の厚みが薄いので、カボチャなど硬く大きさのあるものを切るのは難しかったです(小さなペティナイフでそこまでのものはなかなか切らないでしょうけれど)。

(3) チープ感のないシンプルなデザインと持ち手の握りやすさ

持ち手は天然木を使用しているので、1100円とは思えない高級感があります。また、手が濡れたり、食材を触って多少汚れたまま持ち手をつかんでしまってもすべりにくいのも、嬉しいポイント。全体的に小さいサイズ感なのに、持ち手は細すぎず握りやすい太さなので、しっかり力を入れることができます。

●すっかり果物のカットや野菜の皮むきの相棒に!

今では果物を切ったり野菜の皮むきをするときには、かなりの高頻度でこの包丁を使っています。

1か月ほど使用してみて、そろそろ少し切れ味が衰えてきている感じはありますが、それでもまだ1度も研がずに使用できています。ここまでしっかり使える包丁が1本あたり1100円で買えることに驚きました。

店員さんに話を聞いたところ、人気商品であることに加え、一本一本職人さんが手づくりりで生産しているため大量生産ができず、需要に生産がなかなか追いついていかないそうです。点数制限を設けるなどして店頭に並べるようにしているようなので、見かけたらぜひチェックしてみてくださいね。