4月7日からスタートする日本テレビ金曜ドラマDEEP枠『夫婦が壊れるとき』。医者として、妻として、母として、完璧な生活を送っていた真壁陽子。しかし、あるとき夫から女性の影を感じ…。夫に裏切られ、信頼していた人たちからも裏切られるなかで、陽子は壮絶な復讐劇をスタートさせます。そんなヒロイン・陽子を演じる稲森いずみさんにお話を伺いました。

稲森いずみさんインタビュー。不倫夫に復讐するヒロインがとにかく魅力的

本作はイギリス、韓国など世界でも大ヒットとなった作品の日本リメイク版。稲森さんは「プレッシャーも感じましたけど、それを糧に一生懸命演じていきたいなと思っています」と語ります。そんな日本版の脚本を読まれたときの気持ちとは。

【写真】クールな表情が素敵な稲森さん

「原作を見たときは、率直におもしろいなと思いました。とにかくヒロインが魅力的。夫に不倫をされても決して泣き寝入りせず、どんどん行動に移していきます。傷つきながらも、手を抜かず夫や周りの友人たちに復讐していく姿は狂気じみているんですけど、そういうところも含めて魅力なんですよね。見ていて爽快感が味わえるようなストーリーになっています」

自身が演じる陽子については、「女性が憧れる強さを持った女性」と稲森さん。

「仕事をしながらも、妻として母として完璧でいようと努力している人。本当に大胆な行動力があって、ときに過激なこともするのですが、その行動に至るまでの女性としての気持ちにはすごく共感できる部分があるので、その点をしっかり演じていきたいな、と思いました」

●自分だったら復讐は途中で疲れてしまうかも

ある種、特殊な状況に置かれている陽子。そんな陽子とご自身の共通点はあるのでしょうか。

「陽子は自分の中でなんとか消化していこうとするけれど、上手くできなくてその思いが積もっていくタイプ。そういったところは少し似ているのかな、と思います」

では、もしも稲森さんが陽子の立場だったとしたら? という問いかけには、「どうするんだろう…」とポツリ。

「考えたことがなかったですけど、復讐はなかなかできないと思いますね。したくてもなにか違う方法を考えるかな。穏やかに解決する方法を。もし復讐していたとしても、途中で疲れちゃうかも。使うエネルギーがすごいですもんね」

そう言って穏やかに微笑む稲森さん。演じる上でのパワーもとてつもないものになりそうですが、監督からは「台本は気にしなくていい」と言われたのだそう。

「台本に書かれているト書きにとらわれすぎないで現場に入って感じた気持ちを思う存分表現してくれたらいい」と言っていただいて。気持ちの面ではのびのびとやっています。現場では、監督を含めスタッフがみんな温かくて、本当に心地よい現場をつくってくれているので、すごく感謝しています」

●女優を続けるなかで、協調性を意識するようになった

作中では、稲森さん演じる陽子と周りの人の信頼関係が壊れていくさまが描かれています。稲森さん自身は、人とのコミュニケーションにおいて、「嘘をつかない」ことと「気にかける」ことを心がけているのだそう。それは長年、女優として活躍するなかで大事にしていることとも通ずるものがあります。

「女優を続けているなかで、最近は協調性を意識するようになりました。前は自分のやるべきことで一生懸命で、そういうところにはエネルギーを注げなかったときもあったんですよね。現場の雰囲気や、人と人との間にあるものを構築していくことを大事にしていきたいと思っていたのに、余裕がなかったんです。でも、今は一緒に演じたり働いたりしている人と積極的にコミュニケーションをとって、もっと楽しみたいと思うようになりました」

それは、今回の現場でも生かされているといいます。

「夫役の吉沢悠さんとは20代のころに一度共演していて、今回すごく話し相手になってもらっています。夫婦生活の撮影がまだの段階でクライマックスのシーンを撮影していたので、できるだけコミュニケーションをとりたいなと思って」

●お風呂にはかなりの時間入っています

夫や周りの人たちからの裏切りに合い、深く傷ついてもたくましく立ち直っていく陽子。稲森さん自身が落ち込んだときには、どのようにして立ち直っているのでしょうか。

「食べることですかね。それで、『あちゃー』と思って長い時間ウォーキングをしたり(笑)。そのときにできることをやって、特別なことはしていないですね。日に当たるとか、新鮮な空気を吸うとか。あと、台本に向き合っていると引きこもりがちなので、公園で日の光を浴びながら読んだりしています。木や木漏れ日が好きなので、散歩にもよく行きますね」

そんな稲森さんが、日常生活ではまっているのはお風呂に浸かること。

「リフレッシュのため、健康のため、疲れを取るためにもゆっくりお風呂に浸かっています。2リットルほどお水を持って入って、映画を観たりテレビを見たり。時間を計ったことはないんですけど、リビングで休憩してまた入ったりするので、かなりの時間入っていると思います」

最後に、ESSEonlineの読者へのメッセージをいただきました。

「仕事をしながらも妻であり、母であり…それは普通のことじゃなくて、すごいことなんだと思うんです。そして、じつは当たり前に思える幸せってすごく壊れやすいものなんですよね。それが皆さんの努力で成り立っているのは本当にすごいことだと思います」