春は新しいことに挑戦しがいのある季節です。何かを始めることに遅すぎることはありません。ブロガーの原田さよさんは、58歳で整理収納アドバイザーの資格を取ったそう。原田さんの最新刊『50代はやめどき、捨てどき、楽しみどき』(扶桑社刊)では、新しいことにチャレンジしたエピソードについてつづっています。

50代はチャレンジしどき!58歳で整理収納アドバイザーの資格を取った話

私は58歳になってから、新しいことにチャレンジしました。それは、整理収納アドバイザー1級の資格を取ること。なんとか無事に合格でき、その年の夏から1年間、毎月同じ会場で片づけのセミナーを開催することができました。小さな会場でしたが、少人数でできたのでおひとりおひとりの反応もわかり、たいへん勉強になりました。このときにいただいた感想は、私の宝物です。

●講義では最年長だった私。でも刺激があった

ある日、セミナーにご参加いただいた私と同世代の女性から、こんなことを言われました。
「先生は、50代になってからこの資格を取ったということですか? 勉強して試験を受けたのですか? よく決心されましたね」と。

たぶん褒めてくださったのだと思いますが、予想していなかったことで照れてしまいました。たしかに記憶力も理解力も落ちていて勉強はしんどかったですが、1級2次試験の合格率が高いから(つまり、受かりそうだったから)受けた、という理由もあったからです。それでも試験対策にはe ラーニングというオンライン学習もしていたので、いつも傍らにはスマホが。あるときは料理をつくりながらキッチンで、あるときは歩きまわりながら自分の部屋で、問題集を解いていたことを思い出しました。

講義も2次試験の発表時も、いつも私が最年長。孫がいるのも、もちろん私だけ。そもそもオンライン受講にさえ慣れておらず、緊張しっぱなし。でも、30代40代の若い人に交じって勉強したり、試験を受けたりできたのは貴重な経験だったし、楽しかったです。彼女たちから学ぶこともたくさんありました。

試験前の講義を受けているとき、グループで発表することが何度かありましたが、みんな早いんですよ、飲み込みが。私が一生懸命メモをとっている間に、彼女たちは次のことをやっていました。先生の話を聞きながら収納家具の配置図まで書いて、発表の骨子をまとめてくれる人もいました。私はとにかく、足をひっぱらないようにするので精いっぱい。それでも無事にグループでの発表が終わると嬉しくて、そのときのメンバーに何度も「ありがとう」と言ってしまいました。
チャレンジして本当によかったと思っています。

●おもしろそうなことへのアンテナを張るだけでもいい

私は現実的な人間で、何かの役に立つとわかっていないと資格の勉強はしないタイプでした。たまたま、この資格を取ることがやりたいこと(セミナーを開いて片づけのやり方と魅力を伝える)と合致したため、衰えるいっぽうの脳でもがんばれたのだと思います。

これからも、機会があればまた片づけのやり方と魅力を伝える仕事をしてみたいです。ゆっくり、前向きに、そのときを待ちます。ふつうに過ごす中で、やりたいことが見つかった。できるかな?と思ったけれど、まずはじめてみた。すると予想していたより楽しかった。じゃあもう少しがんばってみる? 次のステップも踏んでみる? そのぐらいの気持ちのほうが、年齢を重ねていくこれからはうまくいく気がします。

あとどのぐらい新しいことに挑戦できるかはわかりませんが、「なにか楽しそうなことがあるかも」とアンテナを張っておくことだけは忘れないようにしたいです。
これから私が挑戦したいと思っているのは、リウマチで使いにくくなった手でもできる趣味。弾けなくなったピアノの代わりになにか楽器を…と思いますが、手を使わずにすむものはなかなかないでしょうね。でも、出会いはあるかもしれません!

●「片づけ」が私を大きく変えてくれた

51歳でシンプルライフのブログを書くようになってから、私の人生は大きく変わりました。50歳で家を片づけはじめたからということもありますが、ブログを書いて収益を得られるということを教えてくれた友達の存在も大きかったです。

ブログを始めるに際してはネットで調べて独学。「部屋も心も片づけて、自分を好きになろう」を趣旨にして、できる限りそれに合わせるように記事を書いてきました。ブログにつけた広告からは、少ないながらも毎月いくらか収入を得られるようになりました。

2014 年からはじめたそのブログが、本の出版やウェブサイトでコラムを書くということ、モニター記事を書くということにも繋がっていきました。整理収納アドバイザーの資格を取って対面でお伝えしようということも、ブログを続けていなければ考えなかったと思います。難しいこともたくさんあったけれど、どれもが楽しく有意義だったので、これからも続けていきたいです。

50代のやめどき、変えどきについてつづった、原田さよさんの新刊『50代はやめどき、捨てどき、楽しみどき』(扶桑社刊)が発売中です。