この記事をまとめると

■これからの季節、花粉の飛散が多くなる

黄砂にも同様のことがいえる

■そこでクルマ花粉黄砂対策について解説

アウターは車内でなく荷室へ!

 これからの季節、人とクルマにやっかいなのが、まずは花粉だ。目がかゆくなったり、頭がボーッとする花粉による症状はもちろん、クルマのボディに堆積した黄色い花粉被害も深刻なのである。

 ここではクルマに関する花粉被害対策について説明すると、

 1)花粉を車内に持ち込まない
2)花粉を車内に入れない
3)入ってしまった花粉の除去……

 という3つのポイントがある。

 1)の花粉を車内に持ち込まない……は、クルマに乗り込む際に、体に付いた花粉をできるだけ落としてから乗り込むということ。花粉は静電気によって付着しやすい性質があり、静電気を帯びにくい綿、または花粉が付いていても比較的落としやすく、静電気が帯電しにくいレーヨン、アセテートなどの素材の衣服を着ると安心だ(逆にウールは静電気が発生しやすいらしい)。さらに衣類に静電気防止スプレー処理をしておくとなお安心だろう。

 マスクをした上で、衣類の花粉をはたいて落とす、それでも花粉が舞うのが心配であれば、100均でも売っているハーフサイズの粘着ローラー(衣類用もあり)で花粉を取り去るといいかも知れない。また、路面に落ちた花粉が靴底にまとわりついている可能性大なので、靴をトントンして花粉を落とすこともお忘れなく。

 そして春には欠かせない、しかしもっとも花粉が付着している可能性があるアウター(や帽子)など、運転する際に脱げるものは、車内ではなく、トランク、ラゲッジスペースにそーっと置いておくのも手だ。

 2) 花粉を車内に入れない……は、1)と同じように思えるかもしれないが、こちらはクルマに乗り込んで走り出したあとの話。ウインドウを開けて走るなどもってのほかというのは花粉症の人なら誰もがわかるはずだが、エアコンの作動にも要注意。花粉が舞っている環境では、エアコンの内気循環モードが必須。

 外気循環モードにしてしまうと、よほどの高性能エアコンフィルターが付いていない限り、花粉が室内に侵入してしまうのだ。理想は、内気循環モード+花粉をシャットアウトしてくれるエアコンフィルターの組み合わせである。

花粉がついたボディの乾拭きは厳禁

 3) 入ってしまった花粉の除去……については、上記の対策をしても、100%花粉をシャットアウトすることは難しく、ではどうやって車内に入った花粉を除去すればいいかと言えば、当然、掃除機をかける作業がベストだが、出かける前にいちいちそれをやるのは面倒すぎる。で、便利なのが、静電気を発生させない除電タイプのハンディモップなどで車内をクリーニングするか、拭いたときに花粉が舞わないように水で絞ったタオルで拭きあげるかだ。

 いずれにしても、花粉が舞う時期には、時間をみて、車内の花粉除去大掃除は、とくに花粉症の人にとっては欠かせないと考えたい。

 つぎに、ボディに堆積した花粉をどうするか、である。花粉が長時間、ボディに乗っていると、塗装面やコーティング被膜にダメージを与えてしまう。その際、乾拭きは厳禁。塗装面やコーティング被膜にダメージを与えるだけでなく、花粉を舞い上がらせてしまうからだ。

 ボディに膜がはったような花粉被害なら、即、洗車である。それも、チョロチョロしたホースの水では力不足。高圧の水流、またはコイン洗車場の高圧の水、お湯で洗いたい。そうすれば、ボディにしつこく付着した花粉も吹き飛ばせる。手順としては、まず高圧の水流で花粉を落とし、その後、必ずシャンプー洗車を行うこと。ちなみにあらかじめボディコーティングを施しておくと、花粉が付きにくくなったり、落としやすくなる効果がある。

 そして、もうひとつ、2月から4月にかけてやっかいなのが黄砂花粉の時期に重なるので、大いに迷惑な環境被害である。黄砂は黄色い砂と粘土質の汚れとなり、花粉同様に、ボディに堆積したら、黄砂の飛来が落ち着いた頃、即、洗うこと。洗い方は花粉同様だが、さらにボディにダメージを与えやすく(砂によるキズの付着の意味でも)、完全に落とし切るまでは、ボディをこする作業は極力控えたい。こちらも放置しておくとかなりしつこい汚れの付着となり、ボディ、コーティング被膜にシミやキズなどのダメージを与えるとともに落としずらくなるので要注意である。

 屋外駐車のクルマの防止策としてはボディカバーが有効だが、黄砂にまみれたボディカバーをトランクやラゲッジスペースにしまうのはもちろんまずい。車内を黄砂汚れまみれにしてしまう。自宅駐車場などで、ボディカバーの黄砂汚れを落としたあと、車外にしまっておける場所がないと使用は難しいかも知れない。