大田原市在住の竹工芸家で人間国宝の勝城蒼鳳（かつしろ・そうほう）さんが２８日、病気のため入院中の那須塩原市内の病院で亡くなりました。８８歳でした。

　勝城蒼鳳さん（本名：勝城一二さん）は１９３４年、高林村（現在の那須塩原市）で生まれ１５歳から中学卒業後に竹かご制作などの竹細工に携わり、その後、竹工芸家の八木澤啓造さんに師事し竹工芸の道に進みました。１９６８年に日本伝統工芸展に初めて入選し「蒼鳳」の号を用いるようになりました。１９７２年に日本工芸会正会員に１９９８年に紫綬褒章を受章、２００５年に重要無形文化財保持者・人間国宝に認定されました。

　生まれ育った故郷の自然や身近な情景から受けた感動をモチーフにしてその表現の技法を考案。「千集編み」や「ひっかけ編み」と呼ばれる独自の技術で伸びやかな造形や個性的で人間味のある作品を作り続けました。

　福田富一知事は「作品は生まれ育った栃木の情景が竹という素材を通して力強く表現され竹工芸の振興と後継者育成に尽力された」と哀悼の意を表しました。