本、ポスター、パッケージ、映像作品、Webなど、魅力的な最新のデザインを毎週ダイジェストでお届け。今回は、を紹介します。目次CDジャケット
STUTS『Orbit』アーティスト写真●Designer+Illustrator:我喜屋位瑳務
2022
Atik Sounds / SPACE SHOWER MUSICトラックメーカーのSTUTSが、4年ぶり、3枚目となるフルアルバム『Orbit』をリリース。JJJとBIMを迎えた先行曲「Voyage」など、セッションによって制作された全18曲を収録している。幻想的で非日常感漂うアートワークは、過去にもSTUTSのジャケットを手がけたイラストレーターの我喜屋位瑳務によるもの。軌道を思わせる白い曲線が描かれ、作品タイトルをイメージさせるグラフィックに。デザインとイラストを担当した我喜屋位瑳務さんからのコメントいただいた音源と「先に進み、また戻ってくる」というSTUTSさんご本人の中にあるテーマを聞かせていただき、ファースト、セカンドアルバムから地続きになるタッチで、より濃厚で深みを増したビジュアルを目指しました。基本的にコラージュで、毎回素材集めが本当に苦労します。だめだ、もう限界かもしれない!いや、収穫次第で続けられるかもしれない、、といったタイトロープな作風です。書籍カバー
乗代雄介、温又柔、澤村伊智、滝口悠生、能町みね子『鉄道小説』●Designer:名和田耕平、小原果穂[名和田耕平デザイン事務所]
●Illustrator:えんどうゆりこ
2022
交通新聞社鉄道開業150年の節目に制作された、交通新聞社による初の小説『鉄道小説』。“人と鉄道の記憶”をテーマにした、5人の作家による短編集だ。穴の空いたスリーブケースは、本をスライドさせることで「車窓から眺める風景」を想像させるユニークな作りに。装丁は名和田耕平デザイン事務所の名和田耕平と小原果穂、装画はイラストレーターのえんどうゆりこによるもの。担当者からのコメント穴をあけたスリーブケースで、本を抜くとき・収めるときに、車窓の向こうに景色が流れていく様子を表現しました。表紙(本体)のグラデーションは、時間の流れとともに色・表情が移り変わる様子をイメージしています。反対向きに差し込むとまた違う車窓が楽しめるので、ぜひお試しください!商品パッケージ
『焼きたてフィナンシェミックス』商品イメージ●Art Director+Designer:柴田悟郎
●Illustrator:彦坂有紀、もりといずみ[彦坂木版工房]
●Producer:もりといずみ[彦坂木版工房]、平野宏
2022
昭和産業昭和産業から、自宅で手軽に作れる『焼きたてフィナンシェミックス』が発売。専用の粉と水、油を混ぜて焼くだけで、発酵バターの香ばしさ香る本格的なフィナンシェが楽しめる。おいしさを想像させるイラストは、彦坂木版工房の彦坂有紀、もりといずみが制作。フィナンシェ特有の膨らみ、ほどよく焼けた様子を木版でリアルに表現。グレーの背景やタイトルの周りを囲う湯気のようなラインなど、上品さとカジュアルさを併せ持つパッケージだ。担当者からのコメント本商品は、フィナンシェの食感や香りが一番おいしい瞬間の「焼きたて」が食べられることにフォーカスしたデザインとしています。「彦坂木版工房」のイラストをシンボリックに中央に配置し、焼きあがった湯気のような表現を加えることで「焼きたて」の価値を強調しています。木版画のイラストは焼きたて感が伝わるようにぷくっと膨らんで割れた形や、エッジを際立たせるような香ばしい色のグラデーションにしました。

また、焼きたての香りや味わいの贅沢さを、キッチン、調理器具、調理家電などと相性のよいグレーを使用することでまるで高級雑貨店で購入したような落ち着きのある上質さを表現し、生活になじむようなデザインにしました。

自宅で作る商品ならではの手作り感、手軽に作れることをイメージさせるカジュアルさを融合した背伸びしすぎないパッケージで、気軽に手に取っていただけるようにしています。