Illustratorで手書き風の温かみのある線を描く方法を解説します。Illustratorで描いた線は通常均一で滑らかな線になりますが、あえて線に凸凹をつけて、手書き風の線を表現することができます。■使用する機能「ペンツール」「ラフ」「アピアランス」目次1.手描き風にしたい素材のパスを設定手順は簡単です。手書き風にしたいIllustratorの素材を作成または用意したら、オブジェクトを選んだ状態にして、効果メニュ→“パスの変形”→“ラフ...”を選び(図1)、プレビューにチェックを入れます(図2)。ここにチェックが入っていないと視覚的に変化を確認できません。図1。効果メニュ→“パスの変形”→“ラフ...”で表示されたダイアログの設定で線を手書き風にする図2。「ラフ」ダイアログボックス。プレビューにチェックを入れる2.「パスの変形(ラフ)」で好みの手書き感を設定[ラフ]のダイアログ内の[サイズ]の設定では、線のブレのサイズを変更します(図3)。図3[詳細]は、ブレの密度の設定です。数値が大きいほど間隔が狭まります(図4)。図4[ポイント]はブレの形状の設定で、[丸く]で丸みをつけるか、[ギザギザ]で角をつけるかを選択します。手書きの温かみのある線にしたい場合は、[丸く]がおすすめです(図5)。図5好みの線になったら、OKを押します(図6)。図6。「ラフ」の適用前後の比較。ラフの設定は素材によってさまざまだが、ここでは、[サイズ:3px][入力値][詳細:31/inch][ポイント:丸く]程度で線を手描き風にした。なお、顔の形が崩れないように、顔以外の線をダイレクト選択ツールで選択して後、効果を加えている(図6別案)「ラフ」の効果を加えて手書き風にした文字。パスで構成されていれば文字でも図版でも同様に「ラフ」で手書き風にできる3.手描き風の線は「アピアランス」で変更可能この「ラフ」の設定で作った手描き風の線は、アピアランスパネルの設定であとから修正もできます。アピアランスパネルは、ウインドウメニュー→“アピアランス”をクリック。アピアランスには、塗りや線・効果など外観にかかわる部分が表示されています。「ラフ」の設定もここから再編集が可能で、パネル上の「ラフ」のあたりをダブルクリックすると、再び「ラフ」のダイアログが開くので、数値を変更することができます(図7)。図7。制作した手描き風の線は、アピアランスパネルの設定で後からでも再調整ができる以上、Illustratorで手書き風の温かみのある線を描く方法でした。
●構成:編集部、専門学校講師のイラレさん ●制作:専門学校講師のイラレさん ●編集:編集部