Illustrator(イラレ)で、オブジェクトの重なりの順番を変更する方法を紹介します。Illustratorはオブジェクトの重なりで、効果が変わったり、図形の形が変わるので、基礎知識として覚えましょう。オブジェクトの重なりと関連性の高い、レイヤーについても解説します。■使用する機能「重ね順」「最前面へ」「前面へ」「背面へ」「最背面へ」「レイヤーパネル」「新規レイヤーを作成」目次1.オブジェクトの重なりとは?イラストレーターで作った図形などは「オブジェクト」と呼ばれ、基本的には作った順番に前面に配置されます(上に積み上がっていくイメージです)(図1)。図1そして前面にオブジェクトがあると、その背面のオブジェクトは隠れます。例えば、四角をC→B→Aの順に制作していくと下図(図2)のような重なりの順番になります。図2。前面のAは全体がそのまま表示されるが、その背面にあるBやCは隠れて見えない部分がある。これが重ね順のイメージ。新しく作った順に一番上に重なっていくオブジェクトの重なりは、後からその順番を変更することができます。以下では重ね順を変更する方法を解説します。2.オブジェクトの重ね順の変更オブジェクトの重なる順番を変更するには、オブジェクトを選択して、オブジェクトメニュー→“重ね順”で「最前面へ」「前面へ」「背面へ」「最背面へ」のいずれかを選択します。重ね順のパターン「最前面へ」:選択したオブジェクトを重ね順の一番上(最前面)に移動します。
「前面へ」:今の位置から一つ上(前面)に移動します。
「背面へ」:今ある位置から一つ下(背面)に移動します。
「最背面へ」:一番下(最背面)へ移動します。例えばAを選択して、オブジェクトメニュー→“重ね順”→“最背面へ”にすると、それまで最背面だったCの下(最背面)に移動するため、Cで隠れることになります(図3)。図303.レイヤーの重なり順Illustratorの重ね順には、「レイヤー」という要素もあります。レイヤーは、ウインドウメニュー→“レイヤー”でレイヤーパネルを表示して確認・編集します(図4)。作成したオブジェクトは、すべてレイヤーの中に含まれています。たとえば、ファイルメニュー→“新規...”で新しいドキュメントを作り、長方形ツールなどで四角を3個作った後、ウインドウメニュー→“レイヤー”で[レイヤー1]の左側の記号[>]をクリックすると、レイヤーの中身が表示され、作った図形がすべて[レイヤー1]の中に入っていることがわかります(図5)。図5。レイヤー1に3つの図形が含まれていることがわかる。なお、レイヤー名やレイヤー内のオブジェクト名は、名前の部分をダブルクリックすると変更ができる。ここでは上から順に図形の名前をA、B、Cと変更したここで、レイヤーパネルの右下[+](新規レイヤーを作成)をクリックして、新しく[レイヤー2]を作り、先ほどと同じように四角を制作します。この図形は[レイヤー2]の中に含まれます(図6)(図形の名前は[D]に変更)。図6すると、レイヤーパネルのレイヤーの重なり順を見ての通り、[レイヤー2]が[レイヤー1]の前面に位置するので、[レイヤー2]の中の四角Dによって、「レイヤー1」の中の四角A〜Cは隠れることになります(図7)。このようにオブジェクトの重なりよりも、大きなくくりでレイヤーが存在します(図8)。図7図8オブジェクトの数が多い制作物の場合など、パーツや部位ごとにレイヤーで分けておけば、編集も容易になります。なお、レイヤーの重ね順の変更は、変更したいレイヤー名のあたりに合わせてドラッグ&ドロップです。以上、オブジェクトの重なりを変更する方法、レイヤーとオブジェクトの重なりの関係の紹介でした。
●構成:編集部、専門学校講師のイラレさん ●制作:専門学校講師のイラレさん ●編集:編集部