海外版ファミリーコンピュータ「NES」向けに開発されたものの、発売されることのなかったゲームソフト2本がインターネットオークションサイトのeBayに出品されました。出品されているゲームソフトのうち1本はグローブ型のコントローラー「パワーグローブ」向けに開発されたもので、歴史的価値の高さからゲーム保存団体の創設者が落札のための資金援助を募っています。

Two never-published NES games are up for auction on eBay - The Verge

https://www.theverge.com/2022/10/12/23398761/rare-nes-games-power-glove-video-game-preservation

eBayで未発売のゲームソフトを発見したのは、ゲームの保存活動を行う非営利団体「Video Game History Foundation」の創設者であるフランク・チファルディ氏です。チファルディ氏は5年に1回ほどの頻度で未発売ゲームを発見しているとのことですが、今回は2本のゲームを同時期に発見したとのこと。チファルディ氏はVideo Game History Foundationの資金が不足していることを明かし、ゲーム落札のための資金援助を募っています。





チファルディ氏が発見したゲームの片方には、任天堂に送付予定だったと思われるパッケージの原本も付属しており、チファルディ氏は「パッケージの原本を利用することで、完全なデジタル版を作成できます」と、述べています。なお、パッケージの原本に含まれるイラストや「THE BATTLEFIELDS OF NAPOLEON」というタイトルから、発見されたゲームは日本ではアイレムが販売していた「ナポレオン戦記」の海外版と考えられます。





もう一方のゲームソフトが以下。貼り付けられたラベルから、「ゴールデンアイ 007」などの名作ゲームを開発したことで知られるゲーム開発企業「レア」がゲーム見本市「CES」に出品するために準備していたソフトであることが読み取れます。チファルディ氏によると、このゲームは手袋型コントローラー「パワーグローブ」専用に開発されたものだとのこと。チファルディ氏は「誰もがパワーグローブを愛していますが、パワーグローブ専用ゲームが1本しかリリースされていないことを知っていますか?」と述べ、発見したゲームの歴史的価値を強調しています。





チファルディ氏によると、海外版ナポレオン戦記の出品者は同ゲームの元開発者で、パワーグローブ専用ゲームの出品者はゲームデザイナーの妻とのこと。チファルディ氏は両ゲームの落札価格が5万ドル〜10万ドル(約730万円〜1500万円)になると予想しており、ゲームを落札して適切に保存するための資金援助をダイレクトメッセージで募っています。