SAS Institute Japanは10月6日、特定業種の業務に特化したソリューション「SAS Answers Cloud」の提供を開始するとして、記者説明会を行った。

ソリューション統括本部 本部長 森秀之氏は、「SAS Answers Cloud」が同社のクラウドアナリティクス戦略の柱の一つであると説明した。同社は、クラウド・ネイティブなAIおよびAnalyticsプラットフォーム「SAS Viya」を、クラウド上で企業の利用ニーズに合わせて提供することを目指している。

SAS Institute Japan ソリューション統括本部 森秀之氏

SASのクラウドアナリティクス戦略

「SAS Viya on SAS Cloud」のラインアップは3種類ある。「Hosted

Managed Services」は、SASがクラウド基盤、SAS Viyaの構築・運用・管理すべて提供するものだ。「Remote Managed Services」は、クラウド基盤はユーザーが用意し、そこにSASがSAS Viyaを構築し、運用・管理を提供する。加えて、SAS CloudやクラウドマーケットプレースからSaaSとしても利用できる。

「SAS Viya on SAS Cloud」のラインアップ

続いて、ソリューション統括本部 金融デジタルソリューションユニット 部長 羽根俊宏氏が、「SAS Answers Cloud」について説明した。

SAS Institute Japan ソリューション統括本部 金融デジタルソリューションユニット 部長 羽根俊宏氏

「SAS Answers Cloud」は、クラウド上でAIと業種と業界に特化したビジネステンプレートを提供する。AIはユーザーが利用できる形にチューニングして提供する。羽根氏は、「従来のクラウドAIはAIのアルゴリズムしか提供しないので、すぐに使い出すことはできない。しかし、われわれは最短距離AIを使いこなしてもらうことを目指しており、モデル構築などのサポートを行い、ビジネス活用してもらえるようにする」と、動作hが提供するAIの強みについて説明した。

「SAS Answers Cloud」のサービス提供の仕組み

羽根氏は、AIのモデリングについて、「データさえ準備できれば、自動で処理されていると誤解されているが、現状のAIにといって、分析に有用なデータや変数の作成は難しい。目的に応じた業務ノウハウが必要」と説明した。

「SAS Answers Cloud」では、こうしたAI活用にまつわる課題を解決する。「業務課題をデータでどう解決するのかが曖昧」という課題には、コンサルティングの事例を通じて証明された、業務課題ごとの

データ活用アプローチのメニューを提供する。また、「AIモデル構築前のデータ準備が困難」という課題に対しては、コンサルティングプロジェクトを通じて作り上げたデータモデル、必要となるソースデータのリストや変数作成プログラムをビジネステンプレートとして提供する。

「SAS Answers Cloud」は当座のところ、金融業、製造業、ライフサイエンス・ヘルスケア、流通・小売業の4つの業種に対し、サービス提供を行う。

「SAS Answers Cloud」が対象としている業種と課題

「SAS Answers Cloud」で提供するビジネステンプレートの例