米NVIDIAは9月20日(現地時間)、発表会「NVIDIA GTC」の基調講演をオンラインで開催し、その中で次期ゲーミング向けGPUシリーズ「GeForce RTX 4000」シリーズを発表した。今回明らかになったラインナップは「GeForce RTX 4090」「GeForce RTX 4080」の2製品で、グローバルでは10月12日から展開予定。価格はGeForce RTX 4090が1,599ドルから、GeForce RTX 4080が899ドルから。

NVIDIA、“GeForce RTX 40シリーズ”を発表 - 新技術「DLSS 3」に対応へ

新アーキテクチャ「NVIDIA Ada Lovelace」を採用し、統合するRTコアやTensorコアも新世代へと刷新した新グラフィックス製品「NVIDIA GeForce RTX 4000シリーズ」が発表された。製造にはTSMCと密接に協力し、GPU向けに最適化したTSMC 4Nプロセスを採用。約760億個ものトランジスタを集積し、最上位モデルのCUDAコアは18,000個を超過。前Ampere世代と比較すると、1.7倍も増加している。

新アーキテクチャ名は「Ada Lovelace」。19世紀のイギリス人貴族・数学者から命名されており、配信に登場した肖像はAIがグラフィックを生成する「Midjourney」によるもの

アーキテクチャはTSMC 4N。ちなみにAmpereシリーズはSamsungが製造していた

トランジスタ数は約760億個という莫大な規模で、前世代比1.7倍。GPUメモリはMicronのGDDR6X

性能は驚異の90Teraflopsへ。前世代比2倍

さらにRTコアは第3世代へ、Tensorコアは第4世代へと刷新。レイトレ性能は200 RT Tflops、推論性能は1,400 Tensor Tflops

超解像技術「DLSS」のバージョンは“3”へ。よりCPUへの依存を低減させる上、グラフィックパイプラインを全く使わずにフレーム全体を生成することも可能

『Microsoft Flight Simulator』でDLSS 3のデモが行われ、スムースな描画をアピール

消費電力比でも“Quantum jump”な長足の進歩を実現。動作クロックは3GHzにおよび、性能はNVIDIA Ampere世代の2倍以上へ

アーキテクチャやRTコア、Tensorコアの刷新に加え、ストリーミングマルチプロセッサが新しくなっている点もポイント。新技術「Shader Execution Reordering(SER)」の内包によって実行効率を大幅に引き上げており、性能向上と消費電力の削減を実現。NVIDIAのラボテストでは、レイトレーシング性能で前世代比2〜3倍もの性能向上を達成し、ゲームプレイの全体的な性能では25%もの性能向上が得られたという。

ストリーミングマルチプロセッサ(SM)が大きく進化。GPUメモリやキャッシュへのアクセスを最適化し、性能向上を実現した

GeForce RTX 4000シリーズの主な仕様。画像は製品ページから抜粋

今回の発表会で明らかにされたのは「GeForce RTX 4090」と「GeForce RTX 4080」の2製品で、グローバルでは両製品ともに10月12日から発売予定。価格はGeForce RTX 4090が1,599ドルから、GeForce RTX 4080が899ドルから。

「GeForce RTX 4090」

「GeForce RTX 4080」

Ampere製品も併記されている製品ラインアップ。しばらくミドルレンジはAmpere世代が続投しそう