お風呂に入ろう。そう思ったら、手ぶらで浴室に直行するだけ…そんな快適な住まいにしましょう。脱衣所に洗濯すみの着替えを常備すれば、わざわざ自分の部屋に取りに行く手間がはぶけます。新築を建てる際に、脱衣所にリネン棚をつくった日刊住まいライターは、その快適さに大満足。家事が時短になったというおまけもありました。

脱衣所にリネン棚をつくるメリット

筆者がリネン棚をつくろうと思ったきっかけは、夫の実家にあります。初めて帰省した際、夫は手ぶらでお風呂に入っていったのです。これは衝撃でした。

手ぶらがなぜ可能だったのか。そのわけは、脱衣所あるタンスにありました。引き出しに家族分のラベルが貼られたタンスには、下着やパジャマなどの着替えが、個別に収納されていたのです。

自室から着替えを持って入浴する習慣で育った私には驚きでした。「もし、注文住宅を建てる機会があれば、この仕組みを絶対に採用したい!」と決意したほど。

実際に建てて、2年住んでみて、やっぱり正解と思えた脱衣所のリネン棚の設置。そのメリットを紹介します。

 

●手ぶらで入浴ができる

最大の魅力は、やはり手ぶらでの入浴。リビングやダイニングで過ごしたあとに入浴する際、寝室や自室にあるクローゼットに寄り道する必要なし。ましてや、部屋と風呂の階が違ったら、階段の上り下りの手間まではぶけるのです。毎日のことですから、この差は大きい。とくに寒い冬場は、その恩恵を感じるのではないでしょうか。

 

●下着類を1か所に集約する事で洗濯の時短に

入浴時の利便性だけでなく、少し家事時短にもなります。というのも、洗濯済みの家族みんなの下着やパジャマを、浴室のリネン棚1か所のみに収納すればいいからです。みんなの部屋に足を運んで、それぞれのクローゼットに仕分けて収納…という手間をスキップできます。

 

●リネン棚設置で身につく子どものお着換え習慣

子どもの入浴においても、リネン棚はひと役買ってくれます。

定位置に着替えを常備することで、子どもが自発的にお着替えできるように。筆者には園児の息子が2人いますが、入浴してタオルで体をふいてやったあとは、自分で肌着とパジャマを出して着ます。親が用意する必要がなくラクです。

また、幼児のトイレトレーニング中も便利。子どもの突然のトイレの失敗に、あわてることもありません。下着を取りに別の部屋へ…と子どもから目を離すことなく、一緒にお風呂場に直行し、着替えが可能。脱衣所に下着類が常備されているだけでも、安心感すらあります。

脱衣所にリネン棚をつくるデメリット

便利とはいえ、デメリットも。加えて、使い方によっては衛生面に懸念もあります。

 

●衣類への湿気の影響

やはり気になるのが湿気です。「水場の横に衣類を置いてカビないのか?」という心配はあります。

湿気防止として、わが家の場合は、窓を常に開けて換気をよくするように配慮。さらに「リネン棚には最低限の着替えだけを置く」という習慣に。着替えが長く置かれたままになることなく、次から次へと使われるようにしています。加えて、シーズン毎の入れ替えも徹底。季節外れの着替えは置かないように。

そのためか、湿ってしまった、カビてしまったという経験はありません。

 

●脱衣所に余分なスペースが必要

一般的な広さの脱衣所では、洗面台と洗濯機を置くだけでいっぱいになりがちです。小さな家で、着替えのための収納分だけ、脱衣所を広くしようとプランニングすると、ほかの部屋の間取りに影響が出てしまいます。バックヤード的な脱衣所に、余分な広さを割くことは、なかなかの勇気が必要です。

しかしながらわが家の場合、確保すべきスペースは「チェスト1つを置ける程度の広さ」で十分でした。4人家族でも、幅73cm×奥行40cmの5段のチェスト1つで十分たりています。

かりに、そこまでのスペースを確保できないとしても、多少でも着替えを常備できるスペースが脱衣所にあれば、各段に便利になると思います。

 

脱衣所にスペースを割くことは時短につながる

これまで説明した以外にも、さまざまなメリットがあります。

雨に打たれて帰宅したとき、泥だらけの子どもが帰宅したときなど、お風呂に直行したい場合にも「着替えを取りに行く手間がかからない便利さ」を実感できます。タオル1枚巻いて、階段を駆け上がる…なんてこともなくなります。

家づくりでは、LDKを広くすることに目が行きがち。脱衣所は極力節約したいスペースのひとつでしょう。でも、そこをあえて少しだけ広めに確保することで、圧倒的な便利さと時短家事をわが家では実現できました。たったチェスト1つ分の広さ! 必要なのはこれだけだったのです。

手ぶらでお風呂に直行できる生活を想像してみてください。毎日のことだからこそちょっとこだわりたい脱衣所のポイントでした。