片づけをしていると、ついつい埋めたくなる家具や収納アイテムの「すき間」。「無理にシンデレラフィットにしなくてもOKなんです。すき間には、本当にここにあると便利なものを、取りやすいかどうかを考えて置くのが大切」と話すのは、ライフオーガナイザーの森麻紀さん。「すき間」を有効活用するコツを教えてもらいました。

家具と収納用品の間の“すき間”を有効活用するコツ

家具や収納用品などの間にできた「すき間」。

昨今の片づけ収納においては、「すき間は心のゆとり」と言われるようになりましたが、そうはいってもやっぱりあいていると、ついついなにか適当に置いてしまうもの。そしてさらに、置いたことまで忘れてしまう、なんてことも…。それではせっかくの貴重なすき間も、探しものが逆に増えるだけになってしまいます。

すき間には、本当にここにあると便利なものを、取りやすいかどうかを考えて置くと、とても便利な場所になります。

●つい置きやすい場所にこそ、決まったものを置いておく

ものがもっとも置きやすく取りやすい高さは、目線から腰高までの高さとされています。たとえばわが家の場合ですと、リビングのオープン棚上段の引き出し収納ケースの上がちょうど肩くらいの高さです。

その上のすき間には、学校のプリント(月間予定表、お知らせ等)を挟んだバインダーを置いています。必要なときにすぐに出し入れできるアクセスしやすい場所だからです(挟む部分が手前なのは、取り出しやすくするため)。

左側のケースの上には、小物を撮影するときに影を消すために使う色紙を置いています。写真を撮るときに毎回使うわけではないので、カメラとセットにして置いておく必要はありません。でも撮影は主にリビング。思い立ったときにすぐ取りに行ける場所です。

キッチンでは、オーブンレンジの取扱説明書と付属のCOOKBOOKをキッチンワゴン内にできた“すき間”に置いています。

横にある腰高の食器棚の上で郵便物の処理をしているのですが、真横にこんなすき間があると、(出しっぱなしはイヤなので)ついつい紙類が見えないようにしのびこませてしまいそうなので、事前に決まったものを置いた方が安心です。

調理中に確認したくなったときに、すぐ手に取れる場所。わざわざスペースをつくらなくても、探せば意外とちょうどいいすき間は見つかることも多いものです。

隠したいけど定期的に使うものには死角を活用

よく使うけれど、隠したい…そんなアイテムの収納にもすき間が活躍します。

●家具と壁のすき間に掃除用品を収納

家具と壁の間にできたすき間には、家具側にフックをつけて掃除用品を引っかけています。

ここには、ホコリ取りを。そして、冷蔵庫と壁の間には、ミニサイズのフローリングワイパーをかけています。

●生活感が出るものの収納にも死角がおすすめ

冷蔵庫の横のすき間の上部には、マグネットフックを使ってエコバッグをかけています。中にはスーパーへ持っていく紙パックや食品トレーなどを入れています。入れるときもちょうどいい高さで、いっぱいになったらすぐに持ち出せる場所です。

この場所は、目の前を通ると見えますが、入り口からは見えません。

キッチンに置いているスチールラックの下段の棚板をなくして、円柱のゴミ箱(プラスチック製容器包装専用)と脚立を床置きしています。

その周りにも十分なすき間があるので、脚立の横に10リットルサイズの不燃と可燃のゴミ袋を引っかけています。不燃は月1回、メインで使っている可燃ゴミ袋のサイズは20リットルなので、ここに引っかけているのはたまにしか使わない種類です。

わざわざ見ないと見えない死角になっている場所なので、生活感丸出しになるようなものの収納にもおすすめ。

●段ボールの一時置き場にも

スチールラックの隣にある食器棚とその奥(左横)のキッチンワゴンの間にも、じつはすき間があります。そこは、段ボールの一時置き場として使用。

3〜4箱でいっぱいになりますが、溜まったら近所のリサイクルステーションへ持って行きます。

その段ボールを縛るための紐も、すぐ近くに収納しています。キッチンワゴンと床の間にできたすき間です。ビニール紐のパッケージに強力マグネットをテープで貼りつけて、スチール製のワゴンにくっつけています。

シンデレラフィットしなかったすき間も貴重!

引き出しに収納用品がピッタリ収まるのは気持ちがいいですが、すき間ができたからこそ、収納しやすくなることもあります。たとえばわが家の場合だと、キッチンの引き出し。

引き出しをあけた右側にできたすき間に、スクレーパーとピーラーを入れています。シンデレラフィットしなくてよかった! というくらい、ナイスなすき間です。ちなみにピーラーは取り出しやすいように、メラミンスポンジで高さを出しています。

そして、引き出し用の包丁差しを入れてできたすき間には、キッチンバサミを入れています。

新たに収納場所を確保したり、ピッタリな収納用品を買わなくても、意外とすき間は使えます。すき間をなくすピッタリサイズの家具や収納用品を探すよりも、すき間を活かす方法を考える方が簡単かもしれませんよ。