医療費600万円余 請求放棄の議案可決 壬生町
資格が切れた国民健康保険を使った人の医療費の返還を求める事務が遅れ請求権が消滅したとして壬生町は28日に開かれた町議会でおよそ600万円に上る権利を放棄する議案を提出しました。議案は即日可決されました。
国民健康保険は社会保険への加入や自治体から転居することで資格を失います。
資格が切れた保険証で医療機関を受診した場合、一度は自治体が保険料を立て替えますが、その後、医療機関を通じて受診者に請求しなおすよう求めます。
しかし、医療機関が受診者に求めない場合もあるため、その際には自治体が受診者に直接、立て替え分を請求する必要があります。
壬生町では職員が2014年度から2018年度にかけての5年分、のべ348人の合わせて597万円余りを当事者に請求せず、時効となっていました。
町はこれに町内に居住実体のない3人分、およそ9万円を加えた606万円余りの請求権を放棄する議案を28日に開会した壬生町議会に提出しました。
出席した議員からは執行部を問いただす声が上がり、櫻井康雄副町長は陳謝して再発防止に努めると述べました。
議案は可決され、町は今後、徴収をあきらめる処理を行うということです。