再びMCに移行すると、話題はクリスマスの思い出へ。メンバーから“5歳児”といってかわいがられている東村芽依が「何年か前にクリスマスに雪が降ってた日があって、雪だるまを作ったのが思い出」と語ると、後輩たちからも「かわいー」という声が上がる。これに富田鈴花が「甘やかし過ぎじゃないですか」と冷静なツッコミを入れると、加藤史帆も楽屋で東村が「空を見ると踊りたくなる」と言って踊っていることを暴露した。

ここで、イルミネーションで飾られた大きな列車型のトロッコが登場。勢いよく乗り込んだメンバーたちは「ホントの時間」「何度でも何度でも」「日向坂」といったカップリング/アルバム収録曲を立て続けに披露。セルフタイトルの「日向坂」は、グループのこれまでの道のりを歌ったもので、「ちょっと遠回りをして どうにかここまでやって来た」という歌詞が、下積みの時期や改名を経て今やトップアイドルとなった日向坂46の歴史を思い出させてくれた。

牧歌的な雰囲気のパートの後は、一転して攻撃的な展開に。佐々木美玲を中心とする赤いワンピースを着たチームと、加藤史帆を中心とする青いワンピースを着たチームが、前方ステージと後方ステージに分かれてダンスバトルをする。「My fans」のパフォーマンスが始まると、特効による炎の柱と水のカーテンで、ステージ上はカオスになった。この水のカーテンは今回初めて使用されたもので、人気アーティストのライブならではの規模感がある派手な演出だ。

山口陽世を始めとするメンバーがコールアンドレスポンスでさらに会場をあおると、河田陽菜の「私たちとおひさま(※日向坂46のファンの総称)、どっちが盛り上がれるか、勝負よ!」という挑発をきっかけに、日向坂46のライブの鉄板曲「キツネ」をパフォーマンス。

続いて、金村美玖が初センターを務めた最新シングル「ってか」を披露。間奏では、バックの巨大スクリーンでMVにも出現する、暴れる人参のモンスターに、金村を中心に潮紗理菜らメンバーたちが立ち向かうといった、ライブならではのアレンジを加えていた。

こうした演劇性のあるダンスは、デビュー前から振り付けを担当しているTAKAHIROの得意とするところだ。こうして日向坂46の最新にして最高のパフォーマンスを見せつけた後は、金村の「みなさーん、今年最後のライブですよ! 盛り上がっていきましょう!」というアオリをきっかけに、グループ結成当初から歌い継いでいるキラーチューン「誰よりも高く跳べ!」を投下。ステージいっぱいに広がったメンバーたちが拳を突き上げながらジャンプする様は圧巻だった。

ここでステージが暗転してしばらく経つと、今度は真っ赤なサンタ衣装を着たメンバーたちが登場。前日の音楽特番でも着用していたクリスマス限定の衣装で、全力のハッピーオーラを振りまきながら「思いがけないダブルレインボー」を歌唱。さらに、シロッコに乗り込んで会場を縦断しながら「JOYFUL LOVE」を歌った。この「JOYFUL LOVE」では、会場のファンがサイリウムで虹を作るのが恒例となっているが、今回は「思いがけないダブルレインボー」でも二重の虹が出現。いずれもファン発信で行われている企画で、おひさまの愛情がよく伝わってくる感動的な光景だった。

この曲終わりで、佐々木久美が「私たちはおひさまのみなさんがほんとに大好きです。また来年も再来年も、その先も、私たちと一緒にクリスマスを過ごしてくれますか?」とファンに問いかけ、ライブ本編が終了した。

アンコールでは、加藤史帆の「配信を見てるおひさまのみんな、そしてここにいるおひさまのおかげで、最高のクリスマスになりました! おひさまとひなクリしか、勝たん!」という元気な言葉とともに、「君しか勝たん」を披露。続くMCで、齊藤京子は「ひなクリは毎年やらせていただいてるんですけど、有観客は2年ぶりなので、まず開催できてよかったなと。トロッコで、今までで一番、おひさまのみなさんの近くに行けた」と、ファンの近くで歌えた喜びを語った。また、丹生明里は「やりたいことがひとつありまして」と前置きしながら、大好きな「ドラゴンボール」のかめはめ波を出したいとファンに要請。丹生が「かめはめ波ー!」と叫ぶと、オレンジのサイリウムでできた巨大なウェーブが会場後方まで流れていった。最年少の上村ひなのは、「クリスマスが一年の中でいっちばん好きで、ひなくりのこともいっちばん好きなんです。たくさんのおひさまがこうやって集まってくださって、会場だけじゃなく向こう側でも配信で私たちのことを見てくださってるって考えたら、胸がいっぱいになりました」と胸の内を明かした。